『あの世に聞いた、この世の仕組み』は、雲黒斎(うんこくさい)さんが書いた本です。ブログから生まれ、2010年にサンマーク出版から単行本として出て、続編とあわせたシリーズは15万部を超えたと出版社は紹介しています。たとえ話を多く使って、目に見えない世界についての考えを語る本です。
ここでは、本の成り立ち、著者の経歴、どんな内容の本なのか、読むときに知っておきたいこと、単行本と文庫と続編のちがいを順にまとめます。本の中の霊的な体験は著者自身の語りで、事実として確かめられたものではない、という前提で紹介します。
ブログから生まれた本

もとになったのは、著者が2006年に始めたブログ「あの世に聞いた、この世の仕組み」です。ブログの話が本にまとめられ、2010年3月に単行本(254ページ)として出ました。2013年8月には続編の『もっとあの世に聞いた、この世の仕組み』が出て、2020年2月には、二冊ともサンマーク文庫に入りました。
著者の雲黒斎さん
出版社の著者紹介によると、雲黒斎さんは1973年、北海道生まれ。グラフィックデザイナーを経て、広告代理店に勤めていました。2004年に記憶障害を患い、それをきっかけに霊的な体験をするようになった、と本人は語っています。2008年からは講演も行い、小説『極楽飯店』は2016年の啓文堂文芸書大賞の候補になりました。
国立国会図書館の記録では、名前の読みは「ウン コクサイ」で、黒澤一樹という別の名前も記録されています。
いまは独立して、宗教や哲学、スピリチュアルを土台にしたユーモアのある人生哲学を、執筆や音声配信、トークライブなどで伝えている、と紹介されています。本を読んで興味を持った人は、こうした活動から著者の考えに触れることもできます。
どんな内容の本か
本は、うつ病で記憶障害になった会社員の「僕」の話として進みます。処方された強い薬を飲んだあと、守護霊の「雲さん」と話せるようになった「僕」が、雲さんから、たとえ話を通して「この世の仕組み」を教わる、という形です。
出版社の紹介と目次から分かる主なテーマは、苦しみが生まれる仕組みと、そこから抜け出す方法、望みをかなえるコツ、生まれ変わりなどです。紹介文では、守護霊の雲さんが「時に高尚に、時にざっくばらんに」この世の仕組みを教えてくれる本、と説明されています。
目次から見える、本の流れ
文庫版の目次は、次の11章です。
- 第1章 ファースト・コンタクト
- 第2章 バカ正直な宇宙
- 第3章 魂の訓練所
- 第4章 この世ツアーズ
- 第5章 思い癖
- 第6章 ゴムボール・トラップ
- 第7章 宇宙立この世学院
- 第8章 幸せって何だろう
- 第9章 よっぱらい
- 第10章 自我と真我
- 第11章 マトリックス
守護霊との出会いから始まり、この世を学びの場にたとえる章、心の癖を扱う章、幸せについて考える章を経て、「自我と真我」へと進んでいく流れが、章の名前から読み取れます。章の名前に遊び心のある言葉が多いのは、著者紹介にある「ユーモアあふれる人生哲学」という作風の表れでもあるのでしょう。
たとえ話で説明していく書き方なので、スピリチュアルな本を初めて読む人にも、話の筋は追いやすいでしょう。一方で、内容の多くは、目に見えない世界についての著者の考えで、確かめられるものではありません。
読むときに知っておきたいこと
- 霊的な体験は、著者の語り
守護霊と話せるようになったという話は、著者自身の体験として語られているものです。事実かどうかを確かめる方法はないので、一つの物語、一つの考え方として読むのがよいでしょう。 - 宗教の考え方とつながっている
「宗教色のない本」と紹介されることもありますが、「自我と真我」の章があり、続編では般若心経を取り上げた章もあります。仏教などの考え方とつながる内容が含まれている、と知っておくと読みやすくなります。 - 心の不調で治療中の人へ
本の話は、うつ病と薬の話から始まります。心の不調で治療を受けている人は、本の内容をもとに薬や治療を自己判断で変えず、主治医と相談しながら読んでください。
単行本・文庫・続編のちがい
- 単行本(2010年)
サンマーク出版、254ページ。最初に出た形です。 - 文庫(2020年)
サンマーク文庫、340ページ。持ち歩きやすい大きさで、いま手に入りやすいのはこちらです。 - 続編(2013年)
『もっとあの世に聞いた、この世の仕組み』。2020年に文庫にもなりました。般若心経を取り上げた章があります。
これから読むなら、手に入りやすい文庫から読み、気に入ったら続編に進むのが無理のない順番です。続編には般若心経を取り上げた章もあるので、仏教の考え方に関心がある人は、一冊目を読んだあとに続けて読むと、二冊のつながりが見えてくるかもしれません。
本の生かし方
この本の「この世の仕組み」をそのまま信じるかどうかより、読んで心に残ったたとえ話を、自分の暮らしに当てはめてみると、本の言葉が生きてきます。たとえば、苦しみが生まれる仕組みの話を読んだら、最近いちばん苦しかった出来事を一つ思い出し、本の考え方で見直すと何が変わるかを書いてみる、といった読み方です。
章の名前を手がかりに、暮らしの中で試してみるのもよいでしょう。たとえば「思い癖」という章の名前にならって、つい考えてしまう口癖や思い込みを三つ書き出してみる。「幸せって何だろう」にならって、最近うれしかったことを五つ挙げてみる。本の答えをそのまま受け取るより、自分で考えるきっかけとして使うほうが、読んだあとに残るものが増えます。
ただし、本の考え方だけで、大きな決断や、お金のかかる選択をしないでください。気になったことは、信頼できる人と話しながら考えると、本との距離がちょうどよく保てます。
例として、2020年に出たサンマーク文庫版の販売ページです(単行本は2010年に出た254ページの本で、文庫は340ページです)。
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よくある質問
Q. 雲黒斎さんは、どんな人ですか?
A. 出版社の紹介では、1973年北海道生まれで、グラフィックデザイナーを経て広告代理店に勤め、2004年の記憶障害をきっかけに霊的な体験をするようになった、と本人が語っています。2006年にブログを始め、それが本になりました。いまは執筆や音声配信、トークライブで活動していると紹介されています。
Q. 宗教の本ですか?
A. 特定の宗教の本ではありませんが、「自我と真我」の章があり、続編では般若心経を取り上げているなど、仏教などの考え方とつながる内容が含まれています。
Q. 単行本と文庫は、どちらを読めばいいですか?
A. どちらも同じ題の本の単行本と文庫です。いま手に入りやすいのは、2020年に出た文庫(340ページ)です。
Q. 続編には、何が書かれていますか?
A. 2013年に出た『もっとあの世に聞いた、この世の仕組み』は、前作の続きとして、般若心経を取り上げた章などを含んでいます。2020年に文庫にもなりました。
Q. スピリチュアルな本を初めて読む人にも、読みやすいですか?
A. 守護霊とのやりとりを、たとえ話を交えて語る書き方なので、話の筋は追いやすいでしょう。ただ、霊的な体験は著者の語りで、確かめられたものではないことを知ったうえで読んでください。
Q. どんな章がありますか?
A. 文庫版は全11章で、「ファースト・コンタクト」に始まり、「魂の訓練所」「思い癖」「宇宙立この世学院」「幸せって何だろう」「自我と真我」などを経て、「マトリックス」で終わります。



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