タロットカードは、全部で78枚。そのうち22枚の「大アルカナ」と、56枚の「小アルカナ」に分かれます。はじめて手にすると、枚数の多さと、一枚ずつの意味の多さに戸惑うかもしれません。
ここでは、大アルカナ22枚の意味を一覧にし、小アルカナ56枚は、4つの組と14枚の並びという「組み立て」から読めるようにまとめます。あわせて、版による番号のちがい、タロットがカードゲームから占いの道具になった歴史、初心者の始め方、「低級霊」の心配への考え方も書きます。カードの意味は、長く使われてきた読み方の一つで、先のことを言い当てるものではありません。
78枚の組み立て

- 大アルカナ(22枚)
「愚者」から「世界」までの、名前と絵のある22枚。人生の大きなテーマを表す札として読まれます。 - 小アルカナ(56枚)
ワンド(棒)、カップ(杯)、ソード(剣)、ペンタクル(金貨)の4つの組が、それぞれ14枚ずつ。1(エース)から10までの数の札が10枚と、ペイジ、ナイト、クイーン、キングの人物の札が4枚です。
いま日本で手に入る入門書の多くは、1909年にイギリスで作られた「ライダー版(ライダー・ウェイト・スミス版)」の絵をもとに説明しています。ライダー版は、オカルト研究家のアーサー・ウェイトが、画家のパメラ・コールマン・スミスに78枚の絵を頼んで作ったもので、それまで記号を並べただけだった小アルカナにも、一枚ずつ場面の絵を描いたのが大きな特徴です。
大アルカナ22枚の意味一覧
正位置(絵が正しい向き)で、現代の入門書でよく使われる読み方を、短い言葉にまとめます。番号はライダー版のものです。
- 0 愚者
始まり、自由、未知への一歩 - 1 魔術師
創造、物事を始める力、技量 - 2 女教皇
直感、知性、静かな理解 - 3 女帝
豊かさ、育むこと、愛情 - 4 皇帝
責任、安定、まとめる力 - 5 教皇(司祭)
教え、伝統、信頼できる助言 - 6 恋人
選択、結び付き、調和 - 7 戦車
前進、強い意志、勝利 - 8 力
内なる強さ、忍耐、思いやり - 9 隠者
内省、探求、ひとりの時間 - 10 運命の輪
転機、巡り合わせ - 11 正義
公正、判断、責任 - 12 吊るされた男
立ち止まる、見方を変える、待つ - 13 死神
終わりと切り替わり、新しい段階へ - 14 節制
調整、釣り合い、混ぜ合わせること - 15 悪魔
執着、誘惑、縛られている状態 - 16 塔
突然の変化、思い込みが崩れること - 17 星
希望、癒やし、願い - 18 月
不安、迷い、見えていないもの - 19 太陽
喜び、成功、生命力 - 20 審判
目覚め、再出発 - 21 世界
完成、ひと区切り、まとまり
ここに書いたのは現代の一般的な読み方で、ライダー版を作ったウェイト自身の解説とは違う札もあります。たとえばウェイトは、愚者に「愚かさ」、星に「失うこと」(別の読みとして「希望」)、隠者に「慎重さ」といった意味を当てています。逆位置(絵が逆さまの向き)についても、ウェイトは「意味が弱まる」のではなく、札ごとに別の意味を付けています。
ライダー版とマルセイユ版で、8と11が入れ替わる
フランスで広まった古い型の「マルセイユ版」では、8番が「正義」、11番が「力」です。ライダー版を作ったウェイトは、自分の考えに合わせて、この二枚の番号を入れ替えたと書いています。マルセイユ版では、愚者に番号が付いていません。
解説書と手元のカードで8番と11番の札が合わないときは、版の違いを疑ってください。意味を引くときは、番号ではなく札の名前で引くと迷いません。
小アルカナ56枚は、組と数で読む
小アルカナは56枚と多いので、一枚ずつ覚えるより、「どの組か」と「どの数か」を組み合わせて読むと、意味がつかみやすくなります。入門書でよく使われる読み方は次のとおりです。
- ワンド(棒)
やる気、行動、仕事への熱意 - カップ(杯)
気持ち、愛情、人とのつながり - ソード(剣)
考え、判断、争いや悩み - ペンタクル(金貨)
お金、物、仕事の成果、体
数の読み方は解説によって細かく違いますが、ここでは覚えやすいように、大まかに次のように分けて考えます。
- 1(エース)
その組のテーマの始まり - 2〜4
物事が形になり始める段階 - 5〜7
ぶつかり合い、試される段階 - 8〜10
まとまり、結果が出る段階
たとえば「カップの1」なら、気持ちの始まり、新しい出会い。「ペンタクルの10」なら、お金や暮らしのまとまり、と読めます。人物の札は、ペイジ(小姓。若者として描かれます)、ナイト(騎士)、クイーン(女王)、キング(王)の順に、その組のテーマとの関わり方が深く、落ち着いたものになっていく、と読むと分かりやすくなります。なお、ペイジを「侍女」と書く解説もありますが、ウェイトはペイジを若者として描いています。
カードゲームから、占いの道具へ
タロットは、もともと占いの道具ではありませんでした。15世紀の北イタリアの宮廷で遊ばれたカードゲームが始まりで、いま残っている最も古い札は、1440〜50年ごろにミラノの宮廷のために作られたものです。当時は「トリオンフィ」と呼ばれ、「タロッコ」という名前が出てくるのは1502年ごろからです。
占いに使われるようになったのは18世紀のことです。1781年に、フランスの学者クール・ド・ジェブランが、タロットは古代エジプトの知恵を伝えるという説を唱え、エッテイラがそれを手がかりに占いの方法を広めました。「アルカナ(秘密)」という呼び方は、19世紀のポール・クリスチャンが始めたものです。
初心者の始め方
- まずはライダー版か、その絵をもとにしたデッキを選ぶ。入門書の説明と絵が合うので、引いた札を調べやすい
- 最初は大アルカナ22枚だけで、毎朝1枚引く。札の名前と絵を覚えるのが先
- 引いた札と、その日にあったことを一行ずつ書いておく。1か月たつと、自分なりの読み方ができてくる
- 慣れてきたら小アルカナを加え、組と数の組み合わせで読む
一覧を手元に置いておきたい場合は、このページをブラウザの印刷機能で「PDFとして保存」すると、いつでも見返せる一覧になります。
「タロットを使うと低級霊が寄ってくる」という心配
タロットについて調べると、「低級霊が寄ってくる」という話を見かけることがあります。けれども、それを確かめた研究や、信頼できる説明は見つかりませんでした。
宗教の立場から占いを避ける人はいます。カトリックの教えをまとめた『カテキズム』は、あらゆる占いを退けるべきものとしていて、旧約聖書の申命記18章も、占いや口寄せを禁じています。信仰のうえで気になる人は、無理に使う必要はありません。
「悪い霊がついている。お祓いの品を買えば離れる」などと不安をあおられて高額な契約をした場合は、消費者契約法で取り消せることがあります(大阪府の消費生活センターの説明)。困ったときは、消費生活センターに相談してください。
よくある質問
Q. タロットカードは全部で何枚ですか?
A. 78枚です。大アルカナ22枚と、小アルカナ56枚(4つの組×14枚)に分かれます。
Q. 8番と11番の札が、解説書と手元のカードで違います。
A. 版の違いです。ライダー版は8番が力、11番が正義、マルセイユ版は8番が正義、11番が力です。意味は札の名前で引いてください。
Q. タロットの意味の一覧をPDFで持っておけますか?
A. このページをブラウザの印刷機能で「PDFとして保存」すれば、一覧として手元に置けます。
Q. タロットを使うと、低級霊が寄ってきますか?
A. そうしたことを確かめた研究や、信頼できる説明は見つかりませんでした。宗教上の理由で占いを避ける考え方はあるので、気になる人は無理に使う必要はありません。


コメント