龍の置物と風水|四神の青龍の本来の意味、五本爪の龍は誰のものだったか、寺の天井の龍、水晶玉つきの置物の注意

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風水・暮らし

金運や仕事運を上げたいときに、風水でよく勧められるのが龍の置物です。東に置くとよい、玄関がよい、五本爪のものが強い、といった説明を目にします。

ここでは、その説明のもとになっている「四神の青龍」が、辞典や風水の古典でどういう意味なのかを確かめます。五本爪の龍が中国でだれのものだったのか、龍と雨の言い伝え、寺の天井に描かれた龍、置物を飾るときの注意もまとめます。

四神の青龍は、もともと方角の神

龍の置物と風水|四神の青龍の本来の意味、五本爪の龍は誰のものだったか、寺の天井の龍、水晶玉つきの置物の注意のイメージ

辞典によると、四神は天の四方をつかさどる神で、東の青竜、西の白虎、南の朱雀、北の玄武です。もとは四方の星座(星宿)を動物になぞらえたもので、春夏秋冬にも当てられました。考え方は中国の戦国時代に見られ、漢の時代に工芸品に多く描かれています。

日本では、奈良県の高松塚古墳の石室の東の壁に青竜が描かれ、その上に太陽が、西の白虎の上に月が描かれています。キトラ古墳にも四方の壁に四神があり、奈良の薬師寺の本尊の台座にも四神が見られます。どれも方角を守る神としての青竜で、置物を東に置くと運が上がる、という話ではありません。

風水の古典での「青龍」は地形のこと

風水の古典『葬書』では、青龍は墓の位置から見て左側の山並みのことです。注釈は、前後左右の四獣はみな墓の場所から見た地形を言うのだ、と書いています。さらに、「龍は頭を上げ、虎は伏す」という世間の説は誤りで、龍も虎も低く穏やかに伏しているのが吉だ、とも書いています。

日本では、東に流れる川(青竜)、西に大きな道(白虎)、南にくぼ地(朱雀)、北に丘(玄武)がそろった土地を「四神相応」といい、平安京の地形がこれにあたるとされました。『平家物語』にも「左青龍、右白虎、前朱雀、後玄武、四神相応の地なり」とあります。ここでも青竜は東の流れのことで、置物ではありません。もとの記事は北東も龍を置く場所として勧めていましたが、北東は日本の家相では鬼門として避けられてきた方角です。

五本爪の龍は、だれのものだったか

もとの記事は、五本爪は中国の皇帝の象徴と書いていました。中国の歴史書を読むと、龍の文様は身分によって細かく決められていました。

  • 元(1314年): 「龍とは五本爪・二本角のもの」と定め、その文様を庶民にも役人にも禁じた
  • 明: 一品から六品の役人は四本爪の龍を着てよいとされた。1488年には、宦官が願い出る蟒(ぼう)の衣がほとんど龍の形で決まりに反する、と退けられた
  • 清: 皇帝の衣は五本爪の金龍。皇后や皇子、親王にも五本爪が使われた。役人の衣の蟒はみな四本爪だが、五本爪の布を賜った者は使ってよかった

明治大学の加藤徹教授は、「日本は三本爪しか使えなかった」という話は史実ではない俗説で、日本は中国の冊封を受けていないので龍の図を自由に使え、昔の日本の龍の爪は五本、四本、三本と一定しない、と説明しています。もとの記事の「日本の絵では三本爪が多い」も、数えた資料は見つかりませんでした。

龍と水・雨

辞典によると、中国の龍は水の中にひそみ、雨をもたらすものとされ、日本でも龍神は雨や水をつかさどる神として、雨乞いは龍神のすむ池や淵で行われることが多くありました。後漢の字書『説文解字』は、龍は春分に天に昇り、秋分に淵にひそむ、と書いています。

京都の神泉苑には、824年の日照りのときに空海が池のほとりで雨を祈り、善女龍王を呼び寄せて雨を降らせた、という言い伝えがあります。龍と水の結びつきは古いものですが、置物と水杯を組み合わせるとよいという作法の出どころは見つかりませんでした。

寺の天井に描かれた龍

日本で龍の姿を見る身近な場所の一つが、禅寺の法堂の天井です。京都の妙心寺の法堂(1657年)の天井には、狩野探幽が8年をかけて描いた雲龍図があります。天龍寺の法堂の雲龍図は、1997年に日本画家の加山又造が描いたもので、杉板159枚の天井に、どこから見てもにらまれているように見える「八方睨みの龍」が描かれています。それまでの明治時代の鈴木松年の雲龍図は傷みが激しく、一部が保存されて毎年2月に公開されています。

日光の薬師堂(本地堂)の天井の龍は、頭の下で手をたたくと音が響く「鳴き龍」として知られます。もとは狩野安信の絵でしたが1961年の火事で失われ、いまの龍は堅山南風が描き直したものです。辞典では、平行な天井と床の間で音が何度も反射して起こる現象を、この龍にちなんで「鳴竜」と呼ぶ、と説明しています。

「竜」と「龍」

字通によると、「竜」はもとの形の字で、「龍」はそれを複雑にした字です。いまの常用漢字は「竜」で、「龍」は旧字にあたります。国語辞典は龍の姿を、体は大蛇に似て背に81枚のうろこがあり、4本の足にそれぞれ5本の指、頭に2本の角がある、と説明しています。龍は、十二支の中でただ一つの想像上の動物でもあります。

龍の置物を飾るときの注意

水晶玉やガラス玉を持った龍の置物は、置き場所に気をつけてください。東京消防庁によると、日光が水晶玉などで集まって物が燃える「収れん火災」が都内で10年間に61件あり、1月と午後3時台に最も多く起きていました。消費者庁も、窓際や日の当たるところに鏡やガラス玉を置かないよう呼びかけています。

銅などでできた重い置物を高い棚に置くと、地震のときに落ちてけがの原因になります。大きな地震のけが人の3〜5割ほどは、家具などの転倒や落下によるものとされています。風水の効果を確かめた研究は少なく、558人の部屋の条件を変えた試験でも、不安への効果は見られませんでした。

龍の置物を楽しむなら

龍は、古墳の壁画から寺の天井まで、日本でも長く描かれてきた生きものです。置き場所の作法の多くは出どころが分かりませんが、好きな形の龍を、安全な場所に飾って楽しむのはよいことです。気分の落ち込みが続くときは、置物に頼るより、身近な人や相談窓口を頼ってください。

例として、水晶玉を持った金色の龍の置物と水杯のセットの販売ページです。龍と水杯を組み合わせる作法の出どころは見つかりませんでした。水晶玉は日の当たる窓際に置かないでください。

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よくある質問

Q. 龍の置物は東に置くとよいのですか?

A. 四神の青龍が東を守る神とされることから来た説ですが、四神は方角の星宿の神で、置物の運の話は辞典にも風水の古典にもありませんでした。

Q. 風水の古典では青龍は何ですか?

A. 『葬書』では、墓の位置から見て左側の山並みのことです。日本の「四神相応」では、東を流れる川のことを指します。

Q. 五本爪の龍は特別なのですか?

A. 中国の元・明・清では、五本爪の龍は皇帝や皇族などに限られ、役人は四本爪とされた時代がありました。

Q. 日本の龍は三本爪ですか?

A. 日本の龍の爪の数は一定せず、「三本爪しか使えなかった」は俗説だと研究者は説明しています。

Q. 龍と水杯を一緒に置くと効果がありますか?

A. 龍は水や雨と結びつけられてきましたが、龍と水杯を組み合わせる作法の出どころは見つかりませんでした。

Q. 水晶玉つきの龍の置物はどこに置けばいいですか?

A. 日の当たる窓際は避けてください。水晶玉が日光を集めて火事になる「収れん火災」が起きています。

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