龍の夢の意味|中国の夢占いの書が吉凶をどう書いたか、東洋の龍と西洋のドラゴン

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夢占い

夢に龍が出てきた。目が覚めても姿が頭に残っていて、何か大きな意味があるのでは、と気になる。龍は想像上の生き物なので、夢に出てくると、ほかの動物の夢よりも特別に感じられるかもしれません。

ここでは、昔の中国の夢占いの書が龍の夢をどう読んだかを原文で確かめ、龍がどんな生き物として考えられてきたかを辞典でたどります。夢の研究で分かっていることも書きます。

中国の夢占いの書は、龍の夢をどう読んだか

龍の夢の意味|中国の夢占いの書が吉凶をどう書いたか、東洋の龍と西洋のドラゴンのイメージ

中国には『周公解夢(しゅうこうかいむ)』という夢占いの書があり、龍の夢についての項目がいくつも並んでいます。多くは吉を示すものです。

  • 龍に乗って天に昇る夢
    大いに貴くなる
  • 龍が飛ぶ夢
    官位を得て、大いに貴くなる
  • 龍が門の前にいる夢
    大吉で栄える
  • 龍に乗って水に入る夢
    貴い位を得る
  • 龍や蛇が門から入ってくる夢
    財を得る
  • 蛇が龍に変わる夢
    身分の高い人の助けを得る
  • 女性が龍を見る夢
    貴い子を産む

一方で、凶を示す項目もあります。龍が死ぬ夢は高い地位を失う、龍が井戸に入る夢は役人が辱めを受ける、龍や蛇が人を殺す夢は大凶、と書かれています。龍の夢ならすべて吉、というわけではありません。

この書は、周の時代の政治家・周公旦(しゅうこうたん)が書いたものではなく、その名を借りて作られた夢占いの書です。20世紀の初めに敦煌の莫高窟で見つかった写本『新集周公解夢書』が、まとまった形で残る最も古いものとされています。

龍の色ごとの意味は

白い龍は浄化、金の龍は金運、黒い龍は変化、赤い龍は情熱、といった色ごとの意味をよく見かけます。けれども、その出どころは見つかりませんでした。『周公解夢』の龍の項目にも、色で意味を分けたものはありません。

色の意味は、現代の夢占いの本や書き手がそれぞれに付けているものと考えたほうがよさそうです。本によって違うことがあるのはそのためです。

龍と夢の古い記録

龍と夢が結びつく古い記録として、中国の歴史書『史記』があります。漢を建てた劉邦(高祖)の母は、大きな沢の堤で休んでいたとき、夢で神に出会いました。そのとき雷が鳴って暗くなり、父が見に行くと、母の上に龍がいたといいます。やがて母は身ごもり、高祖が生まれました。高祖の顔は「龍顔」と書かれています。

皇帝の誕生を龍と夢で語るこの話は、龍が天子のしるしと考えられていたことをよく表しています。

東洋の龍はどんな生き物か

東京国立博物館は、龍は十二支の動物の中で唯一の想像上の動物で、中国古代の人々の想像力から生まれ、皇帝の象徴にもなった、と説明しています。龍の文様や龍の形をした玉の工芸品は、新石器時代の出土品にすでに見られます。

後漢の時代には「龍に九似あり」という説が生まれました。龍の姿は九つの生き物に似ている、というものです。

  • 角は鹿、頭は駱駝(らくだ)、目は兎、耳は牛
  • 首は蛇、腹は蜃(しん。蜃気楼の「蜃」の字)
  • 鱗は鯉、爪は鷹、掌(てのひら)は虎

日本の百科事典は、龍の姿を、胴は蛇、頭に鹿に似た2本の角、口に長いひげ、背に81枚の鱗、4本の足にそれぞれ5本の指、と説明しています。中国では、鳳凰・亀・麒麟とともに「四瑞(しずい)」として尊ばれ、東の方角を守る青竜としても知られます。龍が現れることは、新しい皇帝が即位するめでたいしるしとされました。

水の神としての龍

中国の龍は、ふだんは水の中にひそみ、雨を降らせるものと考えられていました。日本の竜神は、もともと日本にあった水の神としての蛇の信仰と結びついて生まれた神だと、辞典は説明しています。

雨乞いは、竜神がすむといわれる池や淵で行われることが多く、竜が住むという池の水を雨乞いの祭りに使う風習もあります。漁師の間では、今も竜は豊漁や海の安全を守る海の神として信仰されています。竜のすみかは竜宮と呼ばれ、洞窟や湖、海の底にあるとされます。

西洋のドラゴンは別のもの

西洋のドラゴンは、東洋の龍とは成り立ちが違います。ドラゴンという言葉は、ヘビを意味するギリシア語に由来します。辞典は、西洋のドラゴンを、勇士や騎士と戦って最後は退治される、悪と暗黒の力を形にしたものとしています。東洋の龍がもつ水の神としての性格は、西洋のドラゴンにはまったくない、とも書いています。

聖ゲオルギウスの竜退治のように、聖人に殺される竜はみな悪の象徴とされます。新約聖書の『ヨハネの黙示録』では、赤い竜が神と争って滅ぼされます。一方で、ジークフリートの伝説のように、力の象徴として英雄の物語に出てくることもあります。

辞典は、東洋の龍は全体として、暮らしと結びついて人々に幸せをもたらす善い神としての性格が強い、と対比しています。夢に出てきたのが東洋の龍か、西洋のドラゴンかで、受け止め方が変わるのは自然なことです。

辰年と龍

辰(たつ)は十二支の5番目で、龍が当てられています。方角では東南東、時刻では午前8時ごろの前後2時間を表し、旧暦の3月の別名でもあります。2024年が辰年で、12年後の2036年が次の辰年になります。十二支は十干と組み合わせて、60年でひと回りする年や日を表します。東京国立博物館が2024年の正月に開いた特集展示も、辰年にちなんで龍を描いた作品を集めたものでした。

夢の研究から言えること

龍の夢、ドラゴンの夢だけを調べた研究は見つかりませんでした。近いものとして、11〜15歳の子どもから集めた、くり返し見る夢102件を分析した2015年の研究があります。最も多かったのは、怪物や動物と対決する夢でした。子どもは大人よりも、想像上の生き物や怪物に脅かされる夢をずっと多く見る、と紹介されています。

夢の研究では、夢の内容は起きているときの関心ごととつながっている、という考え方が知られています。龍の絵や映画、物語に触れたあと、あるいは大きな変化を前に気持ちが高ぶっているときに、龍の夢を見ることもあるでしょう。夢が「潜在意識からのメッセージ」であることを確かめた研究はありません。

龍の夢を見たら

昔の夢占いの書でも、龍の夢は吉にも凶にも読まれてきました。色ごとの意味にも決まったものはありません。夢の中でどう感じたか、最近の自分の関心ごとと重なるところはないかを振り返るほうが、決まった意味を当てはめるよりも役に立ちます。

怖い夢で何度も目が覚める、眠るのが怖くなって昼の生活に差し支える、という状態が続くときは、睡眠の専門の医療機関に相談できます。悪夢が続く状態は、治療の対象になることがあります。

よくある質問

Q. 龍の夢は吉夢ですか?

A. 中国の夢占いの書『周公解夢』では、龍に乗って昇る夢や龍が飛ぶ夢を吉とする項目が多くあります。ただ、龍が死ぬ夢や龍が人を殺す夢を凶とする項目もあり、すべてが吉ではありません。

Q. 白い龍や金の龍の夢には特別な意味がありますか?

A. 龍の色ごとの意味は、出どころが見つかりませんでした。『周公解夢』にも色で分けた項目はありません。

Q. 龍に追いかけられる夢は悪い夢ですか?

A. 決まった意味はありません。子どもの夢の研究では、怪物や動物と対決する夢がくり返し見る夢の中で最も多いとされています。

Q. 龍と蛇の夢は同じ意味ですか?

A. 日本の竜神は、水の神としての蛇の信仰と結びついて生まれたとされ、龍と蛇は近い存在と考えられてきました。『周公解夢』には、蛇が龍に変わる夢を吉とする項目があります。

Q. 龍はなぜ水の神なのですか?

A. 中国では、龍は水の中にひそみ、雨を降らせるものと考えられていました。日本では、雨乞いが竜神のすむ池や淵で行われてきました。

Q. 西洋のドラゴンの夢も同じように読んでいいですか?

A. 西洋のドラゴンは、辞典では悪の象徴として退治される存在とされ、東洋の龍とは成り立ちが違います。夢の中でどんな姿だったかを思い出してみてください。

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