トンボの夢の意味(夢占い)|中国の夢の書のトンボ、夢とトンボの昔話「だんぶり長者」、お盆のトンボを捕らない言い伝え

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夢占い

夢の中で、トンボがすいすいと飛んでいた。手に止まった、捕まえようとした。トンボの夢を見ると、何かの知らせなのかと気になります。

ここでは、古い夢占いの書でトンボがどう読まれてきたかを原文で確かめ、トンボと夢が結びつく東北の昔話「だんぶり長者」を紹介します。古事記や日本書紀のトンボ、お盆のトンボにまつわる言い伝え、トンボという虫の本当の姿もまとめます。

中国の夢の書のトンボは1項目だけ

トンボの夢の意味(夢占い)|中国の夢の書のトンボ、夢とトンボの昔話「だんぶり長者」、お盆のトンボを捕らない言い伝えのイメージ

中国の夢占いの書『周公解夢』を全文で探すと、トンボ(蜻蜓)の項目は「トンボが対になって飛ぶ夢は、美しい人が来る」の1つだけでした。もとの記事が並べていた、捕まえる夢は意欲、体に止まる夢は選ばれた証、死んだトンボは変容、といった読みは、この書にはありませんでした。

同じ虫の部には、ほかに次のような項目があります。

  • 蛾が灯に飛び込む夢は、他人が敗れる
  • 蜂と蝶がたわむれる夢は、事が成らない
  • 蜂に足を刺される夢は、財の喜び
  • ムカデにかまれる夢は、寿命に吉
  • 蚊にかまれる夢は、失うものがある

刺される、かまれるといった怖い場面が吉とされることもあり、場面の怖さと吉凶はかならずしも一致していません。この部の初めの詩には、荘子が蝶になった夢「胡蝶の夢」も出てきます。

夢とトンボの昔話「だんぶり長者」

日本には、トンボと夢が結びつく昔話があります。秋田県鹿角市に伝わる「ダンブリ長者」で、ダンブリはこの地方の言葉でトンボのことです。

鹿角市の紹介によると、働き者の若者が畑でうとうと眠っていると、ダンブリが飛んできて若者の唇に何度も尾をつけました。若者は名酒を飲んだ夢を見て、妻も同じ夢を見ました。ダンブリの飛んでいった方へ行くと、岩の間から酒の泉がわいていて、飲んだ人の病が治りました。米をとぐ水で川が白く流れたのが米代川の名の起こりで、夫婦は長者になり、娘は天皇の后になって、のちに大日堂が建てられた、と伝えます。話は継体天皇のころのこととされています。秋田県立博物館が紹介する別の語りでは、泉は「よいかおりのする泉」になっています。

百科事典は、この話を、夢を売り買いする昔話の仲間「夢買長者」の一つに数えています。古い時代には夢も一種の実体と考えられ、夢が売買される話が生まれた、と説明しています。鎌倉時代の『宇治拾遺物語』にも、夢を買う人の話があります。別の事典は、トンボに姿を変えた魂が宝のありかを知らせる話としています。トンボは夢の中で、幸運への道案内として語られてきたのです。

天皇を助けたトンボ

『古事記』には、雄略天皇が狩りをしたとき、腕をかんだアブをトンボが飛んできて食べた、という話があります。天皇はトンボをたたえて歌を詠み、その野を「あきづ野」と呼ぶようになりました。原文には「蜻蛉」を「あきづ」と読むという注がついています。『日本書紀』も、雄略天皇4年の秋、吉野での狩りの最中に同じことがあり、天皇がその地を「蜻蛉野」と名づけたと書いています。家来たちに歌を作らせようとしたが誰も作れず、天皇が自ら歌ったそうです。

日本の古い名前「秋津島」も、トンボの古名「あきつ」と結びつけて語られてきました。『日本書紀』は、神武天皇が丘の上から国を見わたして「トンボが交尾しているようだ」と言ったのが、秋津洲の名の始まりだと書いています。百科事典は、こうした物語のように、日本ではトンボはむしろ縁起のよいものとされた、と書いています。

お盆のトンボは捕らない

もとの記事は、トンボを捕まえる夢を、目標をつかもうとする意欲のしるしとしていました。けれども、日本の言い伝えでは、トンボを捕ることはむしろ避けられてきました。

  • 初秋に群れで飛んでくるトンボを、祖先の霊が姿を変えて来たものとみて、捕らえることを忌んだ。捕まえても「盆と正月礼にこい」と唱えて放した
  • オハグロトンボを「カミサマトンボ」と呼び、捕ることを忌む地方があった
  • 岡山県ではアカトンボを盆トンボと呼び、捕ると盆が来ないと言った
  • 京都府北部には、7月1日を「トンボ朔日」と呼び、アカトンボが生まれる日と伝える村があった

一方、欧米ではトンボは勇ましい虫とは考えられず、むしろ不吉な虫とされ、うそをつくとトンボに唇を縫われる、という俗信もあったそうです。同じ虫でも、地域によって受け止め方は正反対でした。アイヌにも縁起のよいトンボの言い伝えがあり、北米の先住民のズニの人々は、トンボを超自然の力を持つものとして殺すことを忌んだそうです。古代中国ではトンボを薬にもしていて、5〜6世紀の医書に、目の大きい青いトンボを使う処方があります。

「短命」なのはカゲロウ

もとの記事は、短命なイメージのあるトンボの夢は「今を大切に」というメッセージだ、と書いていました。辞典によると、はかなさのたとえにされるのはカゲロウで、成虫の寿命は数時間から数日です。「蜻蛉」は「かげろう」とも読み、昔はトンボの名前でもあったので、混同されやすいのでしょう。トンボは、水の中で暮らす幼虫(ヤゴ)の期間がふつう1〜3年あり、ムカシトンボでは6〜8年かかります。

トンボの本当の姿

日本にいるトンボは約200種です。飛ぶときは前の翅と後ろの翅が別々に動き、胸の中はほとんどが筋肉でできています。トンボは前にしか進まないと言われますが、急に後ろへ身をひるがえすことがあり、そこから「蜻蛉返り」という言葉が生まれました。江戸時代の1690年の俳諧に例があり、「とんぼ帰り」と書くのは誤りだと辞典は書いています。最も古いトンボの仲間は3億年以上前の石炭紀から知られ、翅を広げると60cmに達するものもいました。

ヤゴは、下唇をすばやく前に伸ばして水の中の小さな生き物を捕らえ、7〜13回ほど脱皮して育ちます。ヤンマの仲間は、お尻から水を噴き出して泳ぐこともできます。2015年の研究では、トンボは獲物の動きを先読みしながら飛んで捕らえていることが分かりました。2012年の研究では、トンボが獲物を逃がすのは、獲物が逃げたからではなく、ふだんの不規則な方向転換のせいでした。

トンボの夢を見たら

夢には、起きているあいだに見たことや気になっていることが出やすいことが分かっています。秋にトンボをよく見かけたあとなら、夢に出てきても不思議ではありません。怖い夢が続いて眠りが妨げられるときは、睡眠の専門の医療機関に相談してください。

夢占いの意味は、古い書物でも言い伝えでもばらばらです。辞典で調べてみたいときは、不二竜彦さんの『夢占い大事典 決定版』(学研パブリッシング、2015年)などもありますが、一つの読み方として楽しむくらいがよいでしょう。

よくある質問

Q. トンボの夢は吉夢ですか?

A. 中国の夢の書では「トンボが対になって飛ぶ夢は美しい人が来る」とあり、日本でもトンボは縁起のよいものとされてきました。ただ、夢の意味を確かめた研究はありません。

Q. トンボを捕まえる夢の意味は?

A. 古い夢の書にこの項目はありません。日本の言い伝えでは、お盆のトンボは祖先の霊とみて捕らないものとされてきました。

Q. 夢に出てくるトンボの昔話はありますか?

A. 秋田県鹿角市の「ダンブリ長者」では、トンボが眠る若者の唇に尾をつけ、若者は酒を飲む夢を見て、酒の泉を見つけます。

Q. トンボは短命の象徴ですか?

A. はかなさのたとえはカゲロウのものです。トンボは幼虫の期間がふつう1〜3年あります。

Q. トンボは前にしか進まないのですか?

A. 急に後ろへ身をひるがえすことがあり、「蜻蛉返り」という言葉はそこから来ています。

Q. 怖い虫の夢が続きます。

A. 眠りが妨げられて昼の生活に差し支えるときは、睡眠の専門の医療機関に相談してください。

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