正夢とは|1001年の日記に残る言葉、逆夢と夢違え、夢違観音、正夢になったと感じる理由

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夢占い

夢で見たことが、本当に起きた。そんな体験をすると、正夢だった、何かのお告げだったのでは、と考えたくなります。正夢は、日本では千年以上前から使われてきた言葉です。

ここでは、正夢と逆夢という言葉を辞典で確かめ、悪い夢を正夢にしないための昔の習わしをたどります。そのうえで、正夢になったと感じる理由を研究から説明し、悪夢が続くときの相談先もまとめます。

正夢とは

正夢とは|1001年の日記に残る言葉、逆夢と夢違え、夢違観音、正夢になったと感じる理由のイメージ

辞書では、正夢(まさゆめ)は「事実と一致する夢。将来、それが現実になる夢」です。最も古い使用例は、平安時代の貴族・藤原行成の日記『権記』の長保3年(1001年)の記事で、夢の話を聞いた人が笑って「正夢なり」と言ったと書かれています。

江戸時代の本には、夢を「神夢」「虚夢」「正夢(せいむ)」の三つに分ける説も出てきます。夢が現実になるかどうかは、昔から人々の関心ごとでした。

逆夢はずっと新しい言葉

正夢と対になる「逆夢(さかゆめ)」は、現実とは逆のことを見る夢、また実際には逆のことが起こるといわれる夢です。辞典が挙げる最も古い例は1734年の浄瑠璃で、正夢より700年ほど新しい言葉です。「泣く夢を見ると良いことがある」のような逆夢の言い伝えは、辞典では確かめられませんでした。

夢をお告げとした時代

辞典によると、古くは夢を、神の声に等しく、神の心を伝えるもの(夢告)として崇めていました。夢はよく解けば幸せになり、悪く解けば凶になると信じられ、夢解きを専門にする人もいました。『日本書紀』には夢を解く「相夢(いめあわせ)」が出てきて、平安時代には「夢解き」と呼ばれる女性が吉凶を述べました。他人の夢を買い取って出世した話が『宇治拾遺物語』にあり、「夢買長者」という昔話も各地に伝わっています。

鎌倉時代の僧・明恵は、18歳ごろから約40年にわたって自分の夢を書き留めました。その『夢記』は京都の高山寺に伝わり、重要文化財になっています。

悪い夢を正夢にしない「夢違え」

悪い夢を見たときに、それが正夢にならないようにまじないをすることを「夢違え(ゆめちがえ)」といいます。1784年の狂歌には「まさに見し一富士二鷹三茄子 夢ちがへして貘にくはすな」とあり、正夢と夢違えと獏が一首にそろっています。

  • 悪い夢を見たら「バクバク」と唱えて、夢を食べるとされる獏に食べさせる
  • 正月に枕の下に敷いた宝船の絵を、悪い夢を見たら翌朝、川などに流す
  • 宮中では、宝船の帆に「貘」と書いた絵が下された
  • 獏の絵を使う夢違えの風習もあった

法隆寺の夢違観音

奈良の法隆寺には「夢違観音(ゆめちがいかんのん)」と呼ばれる国宝の観音像があります。法隆寺によると、この像に祈ると悪い夢が良い夢に変わるという伝説から、その名で親しまれてきました。白鳳時代を代表する銅の仏像で、高さは87センチほど、今は大宝蔵院に安置されています。辞典によると、夢違観音という名前は江戸時代の記録に由来します。

初夢と正夢

初夢は、ふつう元日か2日の夜に見る夢で、古くは節分の夜の夢を指しました。平安時代末の歌人・西行は「まさしく見えてかなふ初夢」と詠んでいて、初夢が正夢になることを願う気持ちは昔からありました。夢に見ると縁起がよいものを並べた「一富士二鷹三茄子」は、江戸時代に生まれた言葉です。

「正夢になった」と感じる理由

夢が未来を言い当てるのかどうかは、研究でも調べられてきました。予知夢を見たことがあるという20人を睡眠の実験室に招き、あとで見る動画の夢を見てもらった2015年の研究では、予知の証拠は見つかりませんでした。自宅で眠って夢を報告するオンラインの実験では偶然より当たるという結果も出ましたが、情報が伝わるという説明は支持されず、決着はついていません。

一方ではっきりしているのは、人は夢と出来事が「一致した」組を、「一致しなかった」組より多く覚えているということです(選択的想起)。予知夢を信じる人ほど、でたらめに組み合わせた夢と出来事のあいだにも対応を見つけやすいことも分かっています。ブラジルで1,053人に尋ねた調査では7割が予知夢を一度は見たと答えましたが、これは本人の申告で、本当に当たったかを確かめたものではありません。

  • 夢の多くは、目が覚めないかぎり失われ、目覚めてもすぐに消えていく。覚えている夢は一部だけ
  • 日本の大人386人の調査では、76.2%が「初めてなのに前に見た気がする」既視感(デジャヴ)を経験していた
  • 起きているときの生活や関心ごとが夢に出てくる、という考え(連続性仮説)はおおむね支持されている

地震などの自然災害の夢を見て不安になったときは、夢を予知と考えないでください。気象庁は、日時と場所を特定した地震を予知する情報はデマと考えられる、としています。

夢を見る仕組み

厚生労働省の健康情報サイトによると、眠っている人をレム睡眠のときに起こすと、約80%が夢を見ていたと答えます。レム睡眠とノンレム睡眠は90〜120分ほどの周期でくり返され、明け方に近づくほどレム睡眠が長くなり、一晩の眠りの約20%を占めます。ノンレム睡眠のときにも、わずかに夢を見ています。

夢をよく思い出す人は、夜中に目が覚める回数が多いという研究もあります。目が覚めた瞬間に見ていた夢ほど、覚えていやすいということです。また、最近の出来事がそのままの形で夢に出てくるのは、夢全体の約1.5%にすぎないと報告されています。

夢日記をつけるなら、当たったと感じた夢だけでなく、外れた夢も同じように書き残しておくと、偏りに気づきやすくなります。

悪夢が続くときは

国立精神・神経医療研究センターによると、悪夢はほぼ誰もが経験しますが、頻繁に見て眠りが妨げられ、日常生活に支障が出る場合は「悪夢障害」の可能性があります。大人の悪夢障害の多くは、心的外傷後ストレス障害やうつ病と一緒に起こるとされます。

眠るのが怖い、同じ悪夢を何度も見る、という状態が続くときは、睡眠の専門の医療機関に相談してください。気持ちがつらいときは、厚生労働省の「まもろうよ こころ」にある相談窓口(こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556 など)も使えます。

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よくある質問

Q. 正夢とは何ですか?

A. 事実と一致する夢、将来それが現実になる夢のことです。最も古い使用例は1001年の藤原行成の日記『権記』です。

Q. 逆夢とは何ですか?

A. 現実とは逆のことを見る夢、また実際には逆のことが起こるといわれる夢です。辞典の最も古い例は1734年で、正夢より新しい言葉です。

Q. 悪い夢を見たらどうすればいいですか?

A. 昔は「夢違え」といって、獏に夢を食べさせるまじないをしたり、宝船の絵を川に流したりしました。法隆寺には、祈ると悪夢が良い夢に変わるとされる夢違観音があります。

Q. 夢が正夢になったのは偶然ですか?

A. 予知夢を確かめた研究では証拠は見つかっていません。人は当たった夢をよく覚え、外れた夢を忘れやすいことが分かっています。

Q. 正夢は鮮明な夢だと聞きました。

A. 鮮明さで正夢かどうかを見分けられるという研究は見つかりませんでした。

Q. 怖い夢を何度も見ます。

A. 頻繁で眠りが妨げられ、生活に支障があるときは悪夢障害の可能性があります。睡眠の専門の医療機関に相談してください。

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