時計を見たら12:21、レシートが1331円。前から読んでも後ろから読んでも同じ数字を見かけると、何か意味があるのではと気になるものです。こうした数字を「リバースナンバー」と呼ぶ説明があります。
ここでは、リバースナンバーという呼び名を確かめたうえで、数としての「逆から読んでも同じ数(回文数)」の面白い性質、回文になる日付と時刻、エンジェルナンバーの本に書かれていることをまとめます。
決まった定義のない呼び名

「リバースナンバー」という言葉は、国立国会図書館の蔵書にも、辞典をまとめたコトバンクにも見つかりませんでした。決まった定義のない、ネットなどで使われている呼び名です。
もとの記事も、冒頭では「同じ数字の裏の意味」、種類の節では「1221や321のような並び方」、よくある質問では「ゾロ目や連続する数字」と、三通りの説明をしていました。ここでは、名前の「逆(リバース)」に沿って、逆から読んでも同じ数を中心に見ていきます。
逆から読んでも同じものは「回文」
上から読んでも下から読んでも同じになる言葉を、日本語では「回文(かいぶん)」と呼びます。英語ではパリンドロームです。「たけやぶやけた」「確かに貸した」「わたし負けましたわ」などがよく知られています。なお「回文」には、人から人へ順に回して読む知らせの手紙(回状)という別の意味もあります。
回文の歴史は古く、和歌では1140年ごろの歌論書『奥義抄』に載る歌が早い例とされます。江戸時代には、正月の宝船の絵に添えた回文の歌「なかきよの とおのねふりの みなめさめ なみのりふねの おとのよきかな」がよく知られていました。1645年の『毛吹草』が回文を取り上げ、1650年ごろの狂歌集には15首もの回文の歌が入っています。
海外では、ナポレオンが流されたエルバ島にちなんだ英語の回文が「ナポレオンの嘆き」として知られていますが、本人の言葉ではなく、そう名づけられた作りものです。
逆から読んでも同じ数(回文数)
数の世界でも、11、121、1221のように、前から読んでも後ろから読んでも同じになる数を「回文数」と呼びます。2けたの回文数は11から99までの9個、3けたは90個あります。4けたの数9,000個のうち、回文数は90個、ちょうど1%です。
- けたの数が偶数の回文数は、必ず11の倍数になる。1221は11×111、1331は11×11×11(11の3乗)
- 1を並べた数を2乗すると回文になる。11×11=121、111×111=12321、…、111111111×111111111=12345678987654321
- 回文数のほとんどは素数ではないことが、2004年に証明されている
- 13と31、17と71のように、逆から読むと別の素数になる素数もある
逆にして足すと回文になる?
数を逆から読んで元の数に足し、回文になるまでくり返す遊びがあります。たとえば5280は、5280+0825=6105、6105+5016=11121、11121+12111=23232で、3回で回文になります。89から始めると、24回目でようやく8813200023188という回文にたどり着きます。89と98は、10から195までの数の中で、回文になるまでに最も多くくり返す数です。
ところが196は、いくらくり返しても回文が見つかっていません。1990年には241万回以上くり返して100万けたを超えても、回文になりませんでした。なぜそうなるのか、本当に回文にならないのかは、まだ分かっていない数学の謎です。
回文になる日付
年月日を8けたで並べたときに回文になる日もあります。2020年2月2日(20200202)、2021年12月2日(20211202)がそうでした。次は2030年3月2日(20300302)で、そのあとは2040年4月2日、2050年5月2日と10年ごとに続きます。2001年から2100年までの100年間に12日しかありません。
2020年2月2日は、「月・日・年」や「日・月・年」の順に並べても回文になる、めずらしい日でした。
回文になる時刻
24時間表示の時計で回文になる時刻は、00:00、01:10、12:21、13:31、21:12などの1日16回です。1日の1,440分のうち16分なので、平均すると90分に1回の割合です。12時間表示で、1:21のように3けたで表す時計なら、回文の時刻は1日114回、平均すると約12.6分に1回あります。
もとの記事が例に挙げていた数字のうち、4321は時刻になりません。13:31と20:20は24時間表示でしか出ません。10:10は時と分が同じ並びで、逆から読むと0101になるので、回文ではありません。
エンジェルナンバーの本に書かれていること
リバースナンバーは、エンジェルナンバーの「裏の意味」と説明されることがあります。エンジェルナンバーを広めたドリーン・バーチューの1999年の本では、111は「自分の考えをよく見張り、望むことだけを考えなさい」、222は「新しく植えた考えが、現実に育ち始めている」、333は「アセンデッドマスター(高い存在)がそばにいる」とされています。
もとの記事は、111のリバースの意味を「思考がネガティブに偏っていないか」と書いていましたが、これは本では111のふつうの意味にあたります。222や333の「リバース」の意味は、本にはありません。数字に「振動」があるという言い方は、1908年のアメリカの数秘術の本に見えるものです。なお、バーチューは2017年に改宗し、のちに数秘術を教えたことを悔い改めると語っています。
リバースナンバーをよく見る理由
12:21も1331円も2021年12月2日も、「逆から読んでも同じ」ものをすべて数えれば、出会う回数は自然と増えます。統計学者のディアコニスとモステラーが、偶然の一致を多く見せる原理として挙げた「近いものも一致に数える」の一例です。3けた表示の時計なら、12分あまりに1回は回文の時刻があります。
リバースナンバーを見たら
逆から読んでも同じ数字は、数学の謎にも、言葉遊びにも、記念日にもつながる楽しい存在です。見かけたら、11で割り切れるか確かめてみる、次の回文の日付を数えてみる、そんな楽しみ方もあります。意味づけに頼りすぎず、数そのものの面白さを味わってみてください。
よくある質問
Q. リバースナンバーとは何ですか?
A. 決まった定義のない呼び名です。国立国会図書館の蔵書にも辞典にも見つかりませんでした。逆から読んでも同じ数(回文数)を指して使われることがあります。
Q. 1221や1331に特別な意味はありますか?
A. 数としては、どちらも11で割り切れる回文数です。1331は11の3乗です。エンジェルナンバーの本に4けたの項目はありません。
Q. 次に回文になる日付はいつですか?
A. 年月日を8けたで並べると、2030年3月2日(20300302)です。2001年から2100年までに12日しかありません。
Q. 回文になる時刻は1日に何回ありますか?
A. 24時間表示なら16回、1:21のように3けたで表す12時間表示なら114回です。
Q. 111のリバースの意味は何ですか?
A. バーチューの本には「リバース」の意味はありません。本の111は「自分の考えをよく見張り、望むことだけを考えなさい」です。
Q. 196が回文にならないとはどういうことですか?
A. 逆から読んで足すことをくり返しても、196からは回文が見つかっていません。数学でまだ解けていない問題です。


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