赤ちゃんを産む夢を見た。妊娠中なら「何かの知らせでは」と気になり、妊娠していなければ「どういう意味だろう」と不思議に思うものです。夢占いの解説では、出産の夢は「新しい始まり」「才能が生まれる」といった意味で紹介されることが多い夢です。
ここでは、その読み方を紹介しながら、妊娠中の人の夢を実際に調べた研究を見ていきます。そして、夢の内容が気になって不安が続くときに相談できる先をまとめます。
妊娠中の人は、出産や赤ちゃんの夢を見やすい

妊婦の夢を調べた研究では、母親になる夢や、出産、おなかの赤ちゃんの夢が多いことが分かっています。出産の夢は、妊娠後期の後半になるとさらに増えるとされています。
古い調査ですが、妊婦88人のうち67%が、妊娠や赤ちゃんの夢を見ていたという報告もあります。毎日のように考えていることが夢に出てくるのは、起きている生活が夢に続くという考え方と合っています。
妊娠中に出産の夢を見るのは、ごくありふれたことです。それだけで、お産が近い、何かが起きるという知らせと受け取る必要はありません。
悪夢は、妊娠中に増えることがある
妊娠後期の初めての妊婦57人と、妊娠していない女性59人を比べた研究では、夢を思い出す回数は同じでしたが、悪い夢は妊婦のほうが多くなっていました。週に1回を超えて悪夢を見ていたのは、妊婦で21%、妊娠していない女性で7%です。
ドイツで出産前の妊婦397人を調べた研究でも、週1回以上悪夢を見ていた人は11.3%で、一般の女性496人の2.2%より多くなっていました。悪夢の多さは、日中のストレスの強さと結びついていました。
一方で、妊娠初期にはかえって悪夢が少ないという研究や、妊婦は夢を思い出す回数が少ないという研究もあります。「妊娠中は夢をよく覚えている」とは、一概には言えません。時期や人によって違う、と考えるのが正確です。
難産の夢や、赤ちゃんの具合が悪い夢を見たら
いちばん気になるのは、お産がうまくいかない夢や、赤ちゃんに何かが起きる夢でしょう。夢がお産の経過や赤ちゃんの健康を予知するという根拠はありません。
研究で分かっているのは、悪夢の多さが日中のストレスと結びついていることです。怖い夢を見たのは、それだけお産や赤ちゃんのことを真剣に考えている、ということでもあります。夢の中身より、いま何が不安なのかを書き出して、健診のときに医師や助産師に聞いてみてください。不安の中身が言葉になると、聞けることが見えてきます。
- 夢を見た朝に、夢の中身と、そのとき怖かったことを数行書く
- その不安が、お産のことか、赤ちゃんの健康か、産後の暮らしかを分けてみる
- 健診や両親学級で聞けることは、メモにして持っていく
- 怖い夢が週に何度も続く、眠れない日が続くなら、そのことも医師に伝える
妊娠中の眠りの変化
厚生労働省の健康情報のサイトでは、妊娠中は深い睡眠が減り、夜中に目が覚めることが増えると説明されています。夢は、目が覚めた直前のものが記憶に残りやすいので、夜中に何度も目覚める時期には、夢を覚えていることも増えます。
同じサイトでは、妊娠後期には、分娩や育児への不安から、眠れなさや気分の落ち込みが強まることがあるとも書かれています。出産後の女性の10〜20%が産後うつになるとされ、眠れない状態や気分の落ち込みが長引くときは、精神科や産婦人科に相談するよう勧められています。
不安が続くときの相談先
- こども家庭センター(市区町村)
2024年4月から、すべての妊産婦を対象にした相談の窓口として市区町村に置かれています。妊娠中の体調や気持ち、出産後の暮らしのことまで相談できます。母子手帳を受け取った窓口に聞いても案内してもらえます。 - かかっている産婦人科
眠れない、気分が落ち込む、怖い夢が続くといったことも、健診のときに話してかまいません。 - 電話で話したいとき
こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556(受付時間は都道府県ごと)、よりそいホットライン 0120-279-338(24時間)があります。
妊産婦だけを対象にした全国共通の電話番号は見つかりませんでした。まずは住んでいる市区町村の窓口に問い合わせるのが、いちばん近い道です。
妊娠していない人が見る出産の夢
妊娠していない人が出産の夢を見ることについて、主題として調べた研究は見つかりませんでした。夢占いの本では、出産の夢は、新しいことを始める、何かを成し遂げる、といった意味で読まれることが多いようです。
身近な人の妊娠や出産を聞いた、子どものことを考えている、大きな仕事を終えようとしている。そうした出来事のあとに出産の夢を見るのは、起きている生活が夢に出てくることで説明がつきます。夢占いの読み方は、言い伝えとして受け取るくらいがちょうどよいでしょう。
夢占いでは、どう読まれているか
夢占いの本やサイトでよく載っている読み方を、場面ごとに挙げます。どれも著者の読み方で、確かめられたものではありません。
- 無事に産まれる夢
物事がうまく形になる、新しいことが始まる、と読まれることが多い場面です。 - お産が苦しい夢
何かを成し遂げる途中の苦労を表す、と読まれます。悪いことの前ぶれとして読む本ばかりではありません。 - 双子や大勢の赤ちゃん
成果や喜びが重なる、と読まれることがあります。 - 自分ではなく誰かが産む夢
身近な人の変化や、人の成功を喜ぶ気持ちと結び付けて読まれます。
妊娠中の人がこうした読み方を見るときは、良い意味のものは気持ちを支える言葉として受け取り、悪い意味のものは「本にはそう書いてある」くらいにとどめてください。不安をあおる読み方を何度も調べるより、その不安を健診や相談の場に持っていくほうが、ずっと役に立ちます。
よくある質問
Q. 妊娠中に出産の夢を見るのは、よくあることですか?
A. よくあることです。妊婦の夢を調べた研究では、母親になる夢や出産、赤ちゃんの夢が多く、出産の夢は妊娠後期の後半にさらに増えるとされています。
Q. 難産の夢を見ました。お産が大変になる知らせですか?
A. 夢がお産の経過を予知するという根拠はありません。悪夢の多さは日中のストレスと結びついていることが分かっています。不安なことを書き出して、健診のときに聞いてみてください。
Q. 妊娠中は悪夢が増えるのですか?
A. 妊娠後期の妊婦では悪夢が多いという研究があり、週1回を超える悪夢は妊婦21%、妊娠していない女性7%でした。ただ妊娠初期はかえって少ないという研究もあり、時期や人によって違います。
Q. 妊娠中に眠りが浅くなるのは普通ですか?
A. 厚生労働省の健康情報のサイトでは、妊娠中は深い睡眠が減って夜中に目覚めることが増えると説明されています。眠れない状態や気分の落ち込みが長引くときは、産婦人科や精神科に相談してください。
Q. 不安が続くとき、どこに相談できますか?
A. 市区町村の「こども家庭センター」がすべての妊産婦の相談窓口です。電話では、こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556、よりそいホットライン 0120-279-338 があります。
Q. 妊娠していないのに出産の夢を見ました。
A. 主題として調べた研究は見つかりませんでした。身近な人の出産や、何かを始めようとしていることなど、起きている生活が夢に出てくることで説明がつく場合が多いと考えられます。
Q. 出産の夢を見たら、お産が近いのですか?
A. 夢がお産の時期を知らせるという根拠はありません。出産の夢は妊娠後期の後半に増えるとされていて、お産のことを考える時期だから夢にも出てくる、と考えるのが自然です。
Q. 夢占いで悪い意味が出てきて、不安です。
A. 夢占いの意味は著者の読み方で、確かめられたものではありません。何度も調べるより、不安なことを健診や市区町村の窓口で相談するほうが役に立ちます。


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