やりたいことがわからない、という言葉の中には、まったく違う状態がいくつも混ざっています。
選びきれないほど候補がある人もいれば、候補が一つも浮かばない人もいます。やりたいことはあるのに、できる状況ではないと思っている人もいます。疲れていて、考える時間そのものがない人もいます。同じ言葉で調べていても、必要な答えは別々です。
見つけ方を並べる前に、探さなくてよい場合と、外してよい条件から見ていきます。
まず、探すのをやめてよい場合があります

次のような状態が当てはまるなら、やりたいことを探す前に確かめてほしいことがあります。
- 以前は好きだったことが、どうでもよくなった
- 何をしても楽しいと感じない状態が続いている
- 朝起きるのがつらい、あるいは眠れない日が続いている
- 食べる量が大きく変わった
- 自分を責める考えが、頭から離れない
- この状態が、2週間以上続いている
興味や喜びを感じにくくなることは、気分が落ち込んでいるときの代表的な現れ方として知られています。この状態のときに「やりたいことを見つけよう」とすると、見つからないことで自分をさらに責めることになります。
当てはまるなら、まずは医療機関に相談してください。やりたいことは、気持ちが戻ってから探しても遅くありません。順番が逆だと、どちらもうまくいかなくなります。
そこまでではないけれど疲れている、という段階なら、眠る時刻を早める、予定を一つ断る、といったところから始めてください。考える力は、余裕がないと出てきません。「やりたいことがわからない」の半分ほどは、実際には「いま考える余裕がない」で説明がつきます。
一つめの条件を外す——仕事にしなくてよい
やりたいことを探しているとき、多くの人は無意識に「仕事にできること」という条件をつけています。その条件がついているかぎり、候補はかなり狭くなります。
お金になること、人に説明できること、続けられること、家族に納得してもらえること。この四つを同時に満たすものを探しているなら、見つからないのは当たり前です。
実際には、やりたいことを仕事の外に置いている人のほうが多くいます。仕事は生活を支えるもので、やりたいことを続けるための土台にもなります。「仕事が天職でないと本物ではない」という考え方は、近ごろよく語られるようになったものにすぎません。
二つめの条件を外す——一つに決めなくてよい
やりたいことは一つに絞らなければいけない、という思い込みも、見つからない理由になります。
興味が三つあって、どれも中くらいの強さだという人は珍しくありません。そういうとき、一つを選ぼうとすると、選ばなかった二つが惜しくなって手が止まります。三つとも少しずつ続けて構いません。
続けているうちに、どれかが自然と時間を取るようになります。そのときに初めて、選んだことになります。先に選ぼうとするから、決められないのです。
三つめの条件を外す——特別でなくてよい
人に話したときに、すごいと言ってもらえるものでなければならない。この条件は、本人が気づいていないことが多いぶん、やっかいです。
散歩、料理、掃除、植物の世話、何かを集めること、誰かの話を聞くこと。こうしたものは、やりたいことの候補から最初に外されがちです。人に言いにくいからです。
けれど、やっている最中に時間を忘れられるかどうかに、人が聞いてどう思うかは関係ありません。候補から外していたものを、一度戻してみてください。
条件を外したあとに、何が残るか
三つの条件を外すと、探し方が変わります。子どもの頃に夢中だったことを思い出す、という方法がよく紹介されますが、思い出せない人のほうが多いはずです。もっと近いところを見ます。
- 直近の1か月で、終わったあとに後悔しなかった時間
楽しかったかどうかではなく、「使わなければよかった」と思わなかった時間を探します。画面を見て過ごした時間の多くは、ここで外れます。 - 人にやってあげて、面倒だと思わなかったこと
頼まれごとの中に、なぜかこれだけは平気というものがあります。そこに向いているものが出ていることがあります。 - 読むのが苦にならない話題
自分では興味があると意識していなくても、気づくと読んでいる分野があります。検索の履歴を見ると、自分でも意外なものが並んでいます。 - 腹が立つこと
意外に思われるかもしれませんが、強く気に障ることは、大事にしているものの裏返しです。何に腹が立つかを書き出すと、価値観がはっきりします。
出てきたものを、そのままやりたいことだと決めなくて構いません。次に何を試すかを決める材料が三つか四つあれば、それで十分です。
決まらないまま進む方法
やりたいことが決まらないと動けない、と思っている人が多いのですが、順番は逆でも構いません。動いた結果として決まることのほうが多いからです。
決まっていないときの選び方には、こつがあります。「好きかどうか」で選ぶ代わりに、「やってみて分かることが多いかどうか」で選ぶことです。
- 一度で終わるものを選ぶ。一日で終わる講座、一回だけの手伝い。続ける約束をしないぶん、試しやすくなります
- お金のかからないものから試す。道具をそろえてから始めると、合わなかったときに引き返しにくくなります
- やめる条件を先に決めておく。「三回やって気が進まなければやめる」と決めておけば、合わなかったことが失敗ではなくなります
- 人に言わずに始める。言ってしまうと、やめるときに説明が要ります。自分だけで始めたことは、静かにやめられます
こうして試したことの多くは、合わないまま終わります。それでよいのです。合わないと分かることは、候補が一つ減ったということで、前に進んでいます。
スピリチュアルな読み方として語られること
この状態については、いくつかの読み方が語られてきました。
- 転換期に入ったしるし
これまでの進み方が合わなくなってきた時期に現れる、という読み方です。「迷っているのではなく、切り替わる途中にいる」と受け取ります。 - 外の声に合わせすぎているしるし
人の期待に沿って選び続けた結果、自分の望みが聞こえにくくなっている、という読み方です。 - 同じ場面が繰り返されるのは、学びが残っているから
似た悩みや似た人間関係が何度も来るのは、そこに気づくべきことがあるから、という読み方です。 - ゾロ目や偶然の重なりが増えるのは、時期が来たしるし
同じ数字をよく見る、同じ言葉を何度も聞くといったことが増えるのを、区切りの合図として受け取る読み方です。
受け取って気持ちが軽くなるなら、そう読んで構いません。とくに二つめの読み方は、実際によく当てはまります。人に合わせて選び続けていると、自分の好みを聞かれても答えが出てこなくなります。
サインを待つことが、動かない理由になっていないか
ここだけは、はっきり書いておきます。
「まだサインが来ていないから動かない」「時期が来れば分かるはずだから、いまは待つ」。こうなっているときは、読み方が、動かないための理由に変わっています。
ゾロ目や偶然の重なりは、探しはじめると必ず増えます。気にした瞬間から目に入るようになるためで、数が増えたこと自体は、時期が来たしるしにはなりません。
読み方を使うなら、動く後押しとして使ってください。「これを見たから、今日一つ試す」のように、受け取ったあとに何をするかを先に決めておくと、待つ側に回りません。
年齢と、人との比べ方について
もう遅いのではないか、という気持ちが強いときは、比べている相手が偏っていることが多いものです。
目に入るのは、うまくいった人の話だけです。同じ時期に同じことを始めて、途中でやめた人や、今も続けている途中の人の話は、表に出てきません。見えている分布が、実際の分布とかなり違っています。
それに、やりたいことを仕事にしない前提で考えるなら、始める年齢の制限はほとんどなくなります。外していい条件は、ここでも効いてきます。
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よくある質問
Q. やりたいことがわからないのは、魂からのサインなのでしょうか。
A. そう受け取る考え方はあります。ただ、同じ状態が、疲れや眠りの不足、選択肢の多さ、気分の落ち込みでも起こります。先にそちらを確かめてから、残った部分を読むほうが安全です。
Q. 何年も見つからないのですが、おかしいでしょうか。
A. 珍しいことではありません。見つからない年数より、その間に何を試したかのほうが問題になります。考えるだけで過ぎた年数は、長さのわりに材料が増えていません。
Q. 好きなことはあるのですが、仕事にできるほどではありません。
A. 仕事にする必要はありません。続けられる範囲で続けているうちに、仕事につながる形が見えてくることもありますし、見えてこなくても、生活の質は変わります。
Q. やりたいことを見つける診断や講座は役に立ちますか。
A. 整理の助けにはなります。ただ、受けたあとに何も試さなければ、結果は残りません。受ける前に「終わったら何を一つ試すか」を決めておいてください。
Q. 周りが夢中になっているものに、自分は興味が持てません。
A. 興味の持ち方は人によって違います。夢中になれるものが必要だという前提そのものを、一度外してみてもよいかもしれません。
Q. 親や周りの期待が気になって、選べません。
A. 選べない理由がはっきりしているなら、それは見つからない問題ではなく、伝える問題です。誰に何を言われるのが怖いのかを書き出すと、相手が一人か二人に絞られることがよくあります。
まとめ
やりたいことがわからないという言葉には、違う状態がいくつも混ざっています。まず、興味や喜びを感じられない状態が2週間以上続いているなら、探すより先に医療機関に相談してください。
そうでないなら、条件を外していきます。仕事にしなくてよい。一つに決めなくてよい。特別でなくてよい。この三つを外すと、候補はかなり増えます。
そのうえで、直近1か月で後悔しなかった時間、面倒だと思わなかった頼まれごと、腹が立つことを書き出してみてください。決まらないまま、一度で終わることから試していけば、合わないと分かるたびに前に進みます。スピリチュアルな読み方は、待つためではなく、動く後押しとして使うと役に立ちます。



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