見た夢と似たことが現実に起きると、「あれは予知夢だったのでは」と思えてきます。強く印象に残る体験です。
確かめる方法はひとつだけあります。先に書いておくことです。起きたあとで思い出すやり方では、どうしても確かめられません。
あとから思い出すと確かめられない理由

人の記憶は、あとから入ってきた情報に合わせて形を変えます。悪気があるわけではなく、そういう仕組みになっています。
夢を思い出すとき、現実に起きた出来事をすでに知っている状態で思い出します。すると、合っている部分が鮮明になり、合っていない部分は薄れます。その結果、実際より一致していたように感じられます。
もうひとつ、覚えていない夢の数があります。人は一晩に複数の夢を見ていると言われていますが、覚えているのはごく一部です。何百と見た夢のうち、現実と重なった一つだけが記憶に残るのは自然なことです。
これは「予知夢などない」という話ではありません。確かめようとするなら記録が要る、という話です。
記録して確かめる手順
起きたらすぐ、その場で書く
布団から出る前に書いてください。立ち上がって歩き始めると、数分で内容が薄れます。枕元に紙とペンを置いておくのが確実です。
携帯電話でも書けますが、画面の光で目が覚めてしまい、そのまま別の情報を見て夢を忘れることがあります。紙のほうが向いています。
具体的に書く。ぼかさない
ここがいちばん大切です。「人に会う夢」ではなく「駅の階段で高校の友人に会った」。「悪いことが起きる夢」ではなく「玄関の傘立てが倒れていた」。
ぼかして書くと、あとからどんな出来事にも当てはめられてしまいます。具体的に書けば書くほど、確かめる価値が上がります。
日付を必ず入れる
いつ見たかが分からないと、出来事より前だったのかどうかが確かめられません。日付は必ず書いてください。
外れた夢も残す
当たった夢だけを記録すると、何度書いても「よく当たる」という結果にしかなりません。外れた夢、何も起こらなかった夢も同じように残しておくことで、初めて割合が見えてきます。
当たったと感じやすい夢の特徴
記録を続けると、当たったと感じる夢にはいくつかの共通点があることが分かります。
- 誰にでも起こることが出てくる
電話がかかってくる、荷物が届く、知人に会う。日常でよく起きる出来事は、夢に出てきても現実で起きても不思議はありません。 - 時期を決めていない
「いつか起きる」なら、待っていれば当たります。記録するときに「いつごろ」を書いておくと、確かめる精度が上がります。 - すでに気にかかっていたこと
心配していることは夢にも出やすく、現実でも注意して見ているぶん気づきやすくなります。予知というより、両方が同じ心配から来ています。 - 解釈の幅が広い
水が出てくる、暗い場所にいる、といった夢はいくらでも意味を当てはめられます。あとから合わせやすい夢ほど、当たったと感じます。
逆に、具体的で、時期が決まっていて、自分が普段考えていないことが出てきた夢が現実になったなら、それは記録として残しておく価値があります。
デジャヴ(既視感)との違い
「この場面を前に見たことがある」という感覚を、予知夢の的中と結びつけて考えることがあります。ただ、この二つは分けて考えたほうが整理がつきます。
デジャヴは、その場で「見たことがある」と感じる体験です。夢の記録が残っているわけではないので、本当に前に見たのかどうかは確かめられません。脳の処理のわずかなずれで起こるという説明が知られています。
予知夢として確かめたいなら、その場で感じた既視感ではなく、事前に書き残した記録が必要になります。デジャヴを感じたときに「そういえば夢で見た」と思い出すのは、順番としてはあとづけになってしまいます。
デジャヴが頻繁に起こる、そのあとに意識が飛ぶような感覚があるといった場合は、念のため医療機関にご相談ください。
記録が続かないとき
夢の記録は、始めても続かないことが多いものです。続けるための工夫をいくつか挙げておきます。
- 毎日書こうとしない。覚えていた日だけで十分です
- 一行でよい。文章にしようとすると負担になって止まります
- 覚えていない日は「なし」とだけ書く。空白より続けやすくなります
- 読み返すのは月に一度。毎日見返すと気にしすぎになります
続かなくても構いません。一か月だけでも記録が残っていれば、それをもとに確かめられることがあります。完璧に続けることより、何日かぶんでも残っているほうが価値があります。
不安な夢を見てしまったとき
悪い出来事の夢を見ると、それが起きるのではと落ち着かなくなります。そういうときの置き方を挙げておきます。
- 夢に出た出来事が、実際に防げるものかを考える。防げるなら備えればよく、防げないなら考えても変わりません
- 誰かに話す。話しているうちに、自分が何を心配していたのかが見えてくることがあります
- 記録して、日付とともに閉じる。書き出すこと自体が区切りになります
- 誰かに伝えて不安にさせない。「あなたに悪いことが起きる夢を見た」と言われて喜ぶ人はいません
最後の点は特に大切です。夢の話が相手を縛ってしまうことがあります。自分の中で受け止めるまでは、外に出さないほうが穏やかに済みます。
正夢・逆夢という言い方について
日本では古くから、現実になった夢を正夢、反対のことが起きた夢を逆夢と呼んできました。
この二つの言葉があると、どちらに転んでも説明がついてしまいます。当たれば正夢、外れれば逆夢。確かめようとするときには、この言い方は使わないほうが正確です。
記録するときは「こうなると思った」と書くのではなく、「夢ではこうだった」とだけ書いてください。解釈を入れずに残しておくほうが、あとから見返したときに判断できます。
続けると何が分かるか
何か月か記録を続けると、予知かどうかとは別のものが見えてきます。
自分が何を気にしがちなのか。どういう時期に不安な夢を見るのか。誰が夢によく出てくるのか。夢の的中率より、こちらのほうが日常に役立ちます。
予知夢を確かめようとして始めた記録が、結局は自分を知る記録になっていた、というのはよくある結末です。それでも十分に価値があります。
夢に登場するさまざまなシンボルや状況をもっと詳しく調べたい方には、夢占いの辞典を手元に置いておくのがおすすめです。夢日記と合わせて活用することで、夢のメッセージをより深く読み解くことができます。
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よくある質問
Q. 予知夢は実際にあるのでしょうか?
A. 科学的に確かめられたものではありません。一方で、体験として語る方は多くいます。確かめようとするなら、見た日付と具体的な内容を先に書き残しておく以外に方法はありません。あとから思い出す形では、記憶が現実に合わせて変わってしまいます。否定も肯定もせず、確かめる手段を持っておく。それがいちばん落ち着いた向き合い方だと思います。
Q. 怖い夢を見ました。現実になりますか?
A. 夢の内容が現実になるという裏づけはありません。不安が強い時期には、不安な夢を見やすくなるとも言われています。備えられることがあるなら備えて、そうでなければ日付とともに書き残して、そこで区切りをつけてください。
Q. 同じ夢を見たあとに似た出来事が起きました。偶然でしょうか?
A. 偶然かどうかは、記録がないと判断できません。一度きりでは確かめようがないので、これから見る夢を書き留めてみてください。外れた夢も含めて残すことが、判断するための条件になります。
まとめ
予知夢かどうかを確かめる方法は、先に、具体的に、日付をつけて書いておく。これだけです。あとから思い出す形では、どうしても確かめられません。
そして外れた夢も残してください。当たったものだけを数えると、何度やっても同じ結論しか出てきません。
続けているうちに、予知かどうかより面白いことが見えてくるかもしれません。自分が何を気にして生きているのかという記録です。
書き残したものが増えてくると、「この時期はずっと同じことを考えていた」と分かる瞬間があります。そのとき初めて、夢が何を映していたのかが見えてきます。
予知として当たっていたかどうかは、そこまで大事なことではなくなっているかもしれません。確かめようとした過程のほうに、残るものがあります。



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