印象に残る夢を見た朝は、「あの夢には意味があったのだろうか」「夢占いは当たるのだろうか」と気になるものです。調べると、当たると書くページと、当たらないと書くページの両方が出てきます。
ここでは、夢占いが当たるかどうかを、実際に調べた実験の結果から見ていきます。あわせて、「当たった」と感じるときに起きていること、夢に前日の出来事が出てくる仕組み、夢占いがいつから行われてきたのかをまとめます。
「当たる」には二つの意味がある

夢占いが当たる、という言い方には、まったく別の二つの意味が混ざっています。一つは、これから起きることを言い当てるという意味。もう一つは、夢の意味を読んだら、いまの自分の気持ちによく当てはまったという意味です。
前のほうは、調べることができます。夢を記録しておき、後から実際の出来事と比べればよいからです。後のほうは、当たったかどうかを確かめる物差しがありません。この二つを分けて考えると、話が整理できます。
予知夢を調べた実験——結果は割れている
これから起きることを夢が言い当てるかどうかは、実験で調べられてきました。2015年に発表された実験では、20人に夢を記録してもらい、後の出来事との対応を調べましたが、言い当てている証拠は出ませんでした。
一方、同じ研究の計画で行われたインターネット上の実験(2014年)では、偶然より当たっているという結果が報告されています。ただし、この実験でも、何かの情報が夢に伝わってくるという説明は支持されませんでした。
つまり、はっきり決着しているわけではありません。「科学が予知夢を否定した」とも、「予知夢が確かめられた」とも言えないのが、いまの状態です。夢占いの解説が、当たると書いたり当たらないと書いたりするのは、このあたりを都合よく片方だけ取り上げているためです。
「当たった」と感じるのはなぜか
当たったと感じる体験のほうは、研究が進んでいます。2014年の研究では、夢と出来事の組をいくつも見せたあとで思い出してもらうと、内容が一致していた組ばかりをよく思い出すことが分かりました。外れた夢は、そもそも記憶に残りにくいのです。
同じ研究では、超常的なことを信じている人ほど、夢と出来事のあいだに対応を見つけやすいことも示されています。「よく当たる」と感じている人と、「当たったことがない」と感じている人の差は、夢の当たり外れではなく、こうした思い出し方の差からも生まれます。
当たった夢だけが記憶に残るのは、誰にでも起こることで、思い込みが強いという話ではありません。確かめたいなら、夢を見た朝に書き留めておき、外れた夢も一緒に残しておくことです。
夢には、前日の出来事が出てくる
起きているあいだの生活が、そのまま夢に続いて出てくるという考え方は、研究でおおむね支持されています。2003年の研究では、日中の関心事や人間関係が夢の中身に表れることが確かめられています。
さらに、2004年の研究では、前日の出来事が夢に出てくるだけでなく、同じ出来事が約1週間後にもう一度夢に出てくる効果が報告されています。この効果は、女性と、夢をよく思い出せる人で確かめられました。
気になっている人や、やりかけの仕事が夢に出てくるのは、こう考えれば不思議なことではありません。そして、気になっていることは現実でも起こりやすいので、「夢で見たとおりになった」と感じる場面も生まれます。
夢占いは、いつから行われてきたか
夢から先のことを読む試みは、古代からあります。2世紀の終わりごろ、アルテミドロスという人が『夢占い』という全5巻の本を書きました。日本語訳は『夢判断の書』として1994年に出ています。古代の夢占いは、心の中を読むものではなく、吉凶や先の出来事を占うものでした。
日本では、720年にまとめられた『日本書紀』に「相夢(いめあわせ)」という語が出てきます。平安時代には陰陽師が夢を判断し、「夢解き」と呼ばれる女性が吉凶を述べたことが、蜻蛉日記や更級日記に書かれています。『宇治拾遺物語』には、人の見た夢を買い取る「夢買人ノ事」という話もあります。
夢を心の奥の表れとして読むようになったのは、ずっと後です。フロイトの『夢判断』は1899年11月に出ました(本には1900年と記されています)。ユングは、夢が起きているときの偏りを補う働きをすると考えました。「夢占いは古くから心の奥を映す鏡だった」という説明は、この二つの時代の考え方を混ぜたものです。
当たるかどうかを、自分で確かめる
夢占いが自分に当たるかどうかは、1か月ほどで確かめられます。方法は簡単で、記録を残して、後から照らし合わせるだけです。
- 1. 朝のうちに書く
目が覚めたら、夢の中身と、そのとき感じていた気持ちを数行だけ書きます。日付を必ず入れます。思い出せなかった日も「思い出せない」と書きます。 - 2. 読んだ意味も書き添える
夢占いの本やサイトで意味を調べたなら、その読み方も横に書いておきます。後で、どう解釈したのかが分かるようにしておくためです。 - 3. 1か月後に読み返す
当たったものと外れたものを数えます。外れた夢を消さずに残しておくのが大事なところです。
数えてみると、多くの場合、当たった夢は思っていたより少なくなります。それでも、繰り返し出てくる場面や、決まった時期に見る夢の形が見えてきます。そちらのほうが、吉凶の判定より役に立ちます。
夢占いの本を引くときに
- 吉凶の判定だけを見て決めない。同じ場面に正反対の意味が載っていることもある
- 夢の中で自分が何を感じていたかを先に書き留め、本の意味はあとで読む
- 怖い夢を、これから起きることの知らせとして読まない
- 寝つけない、悪夢が続いて日常に差し支える、という状態なら、占いではなく医療の相談先を考える
夢占いは、当たり外れを競うものとして使うと、外れたときに置きどころがなくなります。自分がいま何を気にしているのかを知る手がかりとして使えば、外れても損がありません。
例として、夢占いの事典『夢占い大事典 決定版』(不二龍彦、学研パブリッシング、2015年の増補改訂版、559ページ)の販売ページです。
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よくある質問
Q. 夢占いは当たりますか?
A. これから起きることを言い当てるかどうかは、決着していません。2015年の実験では証拠が出ず、同じ計画のインターネット上の実験では偶然より当たると報告されています。いまの自分の気持ちに当てはまるかどうかは、確かめる物差しがありません。
Q. 「夢占いが当たった」と感じるのは、なぜですか?
A. 2014年の研究で、夢と出来事が一致した組ばかりをよく思い出すことが分かっています。外れた夢は記憶に残りにくいので、当たった夢だけが数えられます。
Q. 夢に前日の出来事が出てくるのは、普通のことですか?
A. 普通のことです。起きている生活が夢に続くことは研究でおおむね支持されていて、同じ出来事が約1週間後にもう一度夢に出てくる効果も報告されています。
Q. 夢占いは、いつからあるものですか?
A. 2世紀の終わりごろに、アルテミドロスが『夢占い』全5巻を書いています。日本では720年の『日本書紀』に「相夢」という語があり、平安時代には「夢解き」と呼ばれる女性が吉凶を述べました。
Q. 怖い夢を見たら、悪いことが起きる知らせですか?
A. そう読む必要はありません。日中に気にしていたことが夢に出てくることは、研究で確かめられています。悪夢が続いて日常生活に差し支えるときは、占いではなく医療の相談先を考えてください。
Q. 夢占いの本は、どう使えばいいですか?
A. 吉凶の判定だけを取らず、夢の中で自分が何を感じていたかを先に書き留めてから引くと、読み比べができます。外れた夢も消さずに残しておくと、自分に当たるかどうかが見えてきます。



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