土星回帰(サターン・リターン)とは|周期から計算すると29.4歳、占星術での土星の意味、30歳前後に人生を見直す研究

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星読み・暦

30歳前後で仕事や恋愛に大きな変化があった。それは「土星回帰(サターン・リターン)」のせいだ、と西洋占星術では説明されることがあります。

ここでは、土星回帰が何歳ごろに来るのかを天文の数字から計算し、占星術で土星がどんな星とされてきたかを辞典で確かめます。言葉の広まり、30歳の手前で人生を見直す人が増えるという研究、日本の厄年や還暦との重なりもまとめます。

土星は約29.5年で太陽を一周する

土星回帰(サターン・リターン)とは|周期から計算すると29.4歳、占星術での土星の意味、30歳前後に人生を見直す研究のイメージ

辞典によると、土星の公転周期は29.458年で、秒速約9.65kmで太陽のまわりを回っています。国立天文台の暦計算室も、約29.5年の公転の間に土星の環が地球から見て2回横向きになり、環が見えなくなるのは前回が2009年、今回が2025年、次は2039年だと説明しています。

占星術の12星座は春分点を基準に測るので、アメリカ航空宇宙局の春分点を基準にした周期で計算すると、土星が生まれたときの位置に戻るのは平均で29.4歳、58.8歳、88.3歳です(計算)。4回目は117.7歳になります。もとの記事の「28〜30歳」「57〜60歳」「86〜90歳」という目安は、おおむね合っています。

ただし、もとの記事は「同じ星座に戻る」と「同じ位置に戻る」を混ぜていました。土星が一つの星座にいる期間は平均約2.45年なので、生まれたときと同じ星座に入るのは、ぴったり同じ位置に戻るときより最大で2年半ほど前になります(計算)。また土星は、地球から見るとほぼ毎年1回、しばらく逆向きに動いて見える「逆行」をします。

占星術で土星はどんな星とされてきたか

百科事典によると、占星術で土星は一般に「不幸と憂うつ」を表す惑星とされ、最も動きの遅い星として老年や時、死と結びつけられ、長い鎌を持った老人の姿で描かれてきました。占星術の惑星の基本の意味は、土星が「悲観、自制、着実、制約、収縮」で、古典は2世紀のプトレマイオスの本です。

もとの記事の「土星は本物を見極める星とも呼ばれている」「影響は前後2〜3年続く」という説明の出どころは見つかりませんでした。

「サターン・リターン」という言葉

土星を、恐れるだけの星ではなく、人生の危機を通して成長をうながす星として読み直したのが、イギリスの占星術家リズ・グリーンの本『サターン 土星の心理占星学』です(日本語版は鏡リュウジ訳で2004年、2018年に新装版)。国立国会図書館の紹介は、古くから凶星とされてきた土星の真の姿を、ユング心理学を道具に描き直した本としています。ただ、目次に土星回帰だけを扱う章はありませんでした。

日本の本では、書名に「サターン・リターン」を含む最も古いものは1998年の漫画で、2006年には「土星占い」と書いて「サターンリターン」と読ませる占いの本が出ています。書名に「土星回帰」を含む本は、2022年の『チューニング占星術 二度目の土星回帰』の1冊だけでした。この言葉を最初にだれが使ったのかは、確かめられませんでした。

30歳の手前で人生を見直すのは、土星でなくても

アメリカの研究者が2014年に発表した6つの研究では、人は29歳、39歳、49歳といった新しい10年の手前で、人生の意味を考え直す行動が増えていました。

  • 100以上の国と地域の4万2千人あまりで、年齢の末尾が9の人は人生の意味を考える頻度がわずかに高かった
  • 初めてマラソンを完走した500人のうち、末尾が9の年齢の人は期待される数より48%多かった
  • 不倫目的の出会いサイトの男性会員約808万人では、末尾が9の年齢の人が偶然より18%ほど多かった
  • オンラインの実験で「次の10年の前夜」を想像してもらうと、人生の意味を探す気持ちの得点が上がった

著者たち自身、効果の一部は小さいと書いていますが、29歳という年齢は、土星回帰の平均の29.4歳とほぼ重なります。心理学者レビンソンも、成人男性への聞き取りから、28〜33歳を「30歳の移行期」と呼び、それまでの生活を現実に合わせて組み直す時期としました。その前の22〜28歳は大人の世界に入っていく時期、後の33〜40歳は腰を据えて打ち込む時期、40〜45歳は人生の中間の移行期とされます。2025年の平均初婚年齢は夫31.0歳、妻29.7歳(概数)で、結婚や転職、引っ越しが重なりやすいのもこの年ごろです。30歳前後の変化は、星の動きを持ち出さなくても、年齢の区切りや暮らしの節目で説明できます。

占星術の予測を試した研究

1985年に科学誌『ネイチャー』に載った実験では、評価の高い占星術師28人が、116人の出生図と性格検査の結果を照らし合わせましたが、当たる割合は偶然を超えませんでした。土星回帰の年齢で転職や離婚が増えるかを調べた研究は見つかりませんでした。

日本の「節目の年」との重なり

日本にも、人生の節目とされる年齢があります。厄年は、辞典によって違いますが、男性25歳・42歳・61歳、女性19歳・33歳・37歳などとされ、起源は陰陽道ともいわれますが、はっきりしません。42を「死に」、33を「散々」に結びつける説は、語呂合わせにすぎないとする百科事典もあります。『論語』の「三十にして立つ」から、30歳は「而立」と呼ばれます。30歳で精神的に自立し、自分の立場を持つようになった、という意味です。数え年61歳(満60歳)の「還暦」は、生まれた年の干支に戻る年で、室町時代の末ごろから祝う風習が見られ、江戸時代に広まって赤い衣服を贈るようになりました。

1回目の土星回帰の平均29.4歳は而立の30歳に、2回目の58.8歳は還暦の満60歳に近い年齢です(計算)。東洋と西洋で別々の数え方をしていても、人は同じような年ごろを人生の区切りと感じてきたのかもしれません。

星座別のテーマについて

もとの記事は星座別の土星回帰のテーマを並べていましたが、12星座のうち8つしか書かれておらず、おとめ座、いて座、みずがめ座、うお座が抜けていました。組み合わせにも一貫した決まりが見当たりませんでした。

土星回帰とのつきあい方

30歳前後や60歳前後に、これまでの生き方を見直したくなるのは自然なことです。土星回帰を、自分の暮らしを振り返るきっかけとして使うのはよいでしょう。ただ、星の動きを理由に、仕事を辞める、関係を終わらせるといった大きな決断を急がないでください。占星術の考え方を本で知りたいときは、鏡リュウジさんの『鏡リュウジの占星術の教科書』シリーズ(原書房)があり、未来の読み方は第2巻の「相性と未来を知る編」が扱っています。

よくある質問

Q. 土星回帰は何歳ですか?

A. 土星の周期から計算すると、平均で29.4歳、58.8歳、88.3歳です。生まれたときと同じ星座に入るのは、それより最大2年半ほど前になります。

Q. 土星回帰の時期は別れや転職が多いのですか?

A. そう確かめた研究は見つかりませんでした。30歳前後は、年齢の区切りや結婚などで、占星術がなくても変化が重なりやすい年ごろです。

Q. 占星術で土星はどんな星ですか?

A. 百科事典によると、一般に「不幸と憂うつ」を表す惑星とされ、基本の意味は悲観・自制・着実・制約・収縮です。

Q. 「サターン・リターン」はいつから言われていますか?

A. 最初にだれが使ったかは分かりませんでした。日本では1998年の漫画の題に使われ、2000年代には占いの本にも出てきます。

Q. 30歳の手前で人生を見直したくなるのはなぜですか?

A. 年齢の末尾が9の年に、人生の意味を考え直す行動が増えるという研究があります。

Q. 土星回帰の時期に大きな決断をしてもいいですか?

A. 星の動きを理由に決断を急がず、仕事や暮らしの具体的な条件を確かめてから決めてください。

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