お守りの持ち歩き方|「高い位置に」は神棚の目安、中身は木や紙の札、懸守から胸守への移り変わり、家でのお神札のまつり方

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神社・神様

神社でお守りを受けたものの、どこに入れて持ち歩けばいいのか、財布やスマートフォンのケースでもいいのか、迷うことがあります。せっかくのお守りなので、失礼のないように持ちたいものです。

ここでは、お守りがどういうものかを神社本庁と東京都神社庁の説明で確かめ、「高い位置に持つ」という話の出どころを見ていきます。昔の人がお守りをどう身につけてきたか、複数持ちや開封、期限の話、車やかばんに付けるとき、家でお神札をまつるときの手順もまとめます。

お守りは「常に身につける」もの

お守りの持ち歩き方|「高い位置に」は神棚の目安、中身は木や紙の札、懸守から胸守への移り変わり、家でのお神札のまつり方のイメージ

東京都神社庁によると、古代の人は、石や骨、鏡や剣などの霊威のある物を身近に持ち歩いていて、それが形を変えてお神札やお守りになりました。お神札は主に神棚にまつるか、門口や柱に貼るもの。お守りはお神札を小さくしたもので、木片や紙片に神社の名前などが書かれていて、それをお守り袋に入れて常に身につけます。神職が神前でお祓いと祈願を済ませて授けるので、神霊の御分霊が宿ったものと考えるそうです。

神社本庁も、お神札は家の神棚にまつって家を守っていただくもの、お守りは常に身に付けてご加護をいただくもの、と説明しています。お守り袋の研究(1986年)によると、家に貼るものを御札、身につけるものを御守と呼び分け、木片や紙片のままでは持ち歩きにくいので袋に入れて使うようになりました。

「高い位置に」は、神棚の目安

もとの記事は、神道では神様は高いところに宿るので、お守りもできるだけ高い位置に置くのが望ましく、胸ポケットやバッグの上のポケットが理想的だ、と書いていました。けれども、神社本庁と東京都神社庁が「目線より高い」場所と書いているのは、お神札をまつる神棚の置き場所です。お守りについては「常に身に付けて」とあるだけで、体のどの高さに付けるかの説明は見当たりませんでした。

その神棚についても、神社本庁は、一般的には目線より高く、お神札が南か東に面する場所がよいとされる、としたうえで、重要なのは神さまに失礼のないよう心を込めてまつることで、家族が毎日おまいりできる場所を第一に考えるのもよい、と書いています。

持ち方は、時代とともに変わってきた

辞典によると、平安時代には、錦の布で作った筒形の袋に紐を付けて胸に懸ける「懸守(かけまもり)」があり、平安時代の中ごろから女性が外出のときに多く用いました。大阪の四天王寺には、平安時代の終わりごろのものと考えられる国宝の懸守が7点残っています。951年にまとめられた『後撰和歌集』には、お守りを返す歌があり、平安時代の前期には恋の願いを懸けるものとして詠まれていました。

江戸時代に女性の服装が変わると、首から下げる形はすたれ、腰に下げる、腕に巻く、紙入れや筥迫(はこせこ)に入れる、といった持ち方に変わりました。懸守は儀式のときのものになり、ふだんは懐に入れる胸守を懸けるようになります。中世の武士は鎧の背に守り仏をつるし、近世には肌に直接つけたり腹掛けの表につけたりし、幕末には腕に付ける腕守も現れました。子どもの「背守」は、産着の背に縫い飾りとして付けたものです。胸、腰、腕、背と、お守りを身につける場所は、時代や服装によってさまざまでした。

開けない、見せない、複数持ち、1年の期限

もとの記事は、好奇心から開けるとお守りの力が失われると言われている、と書いていましたが、出典は見つかりませんでした。明治神宮の授与所の解説文は「開封しないように」としていますが、理由は書かれていません。「人に見せてはいけない」も、公式の説明には見当たりませんでした。もとの記事は、人からもらったお守りも大切に持てばよいとしながら、まとめでは「人に渡さないが基本」と書いていて、食い違っていました。江戸時代には、村の代表が遠くの神社に参り、人数分のお札を受けて帰って配る「代参講」も行われていました。

複数のお守りについて、神社本庁は、神さまは協力して守ってくださるので、けんかする心配はない、としています。期限については、1年ごとに新しく受けるのがよいとしながら、願いが叶うまで身につけていても差し支えない、とも書いています。1年で効き目が切れる、という意味ではありません。財布に入れると金運に効く、スマートフォンの熱や電磁波がお守りに影響する、という話は、出どころが見つかりませんでした。

お寺のお守り

辞典によると、護符は、神仏の名や姿、梵字(種子)、真言などを記した札で、身につけたり壁に貼ったりして、加護やわざわいよけを願うものです。日本の護符には道教・仏教・神道の要素が混じり、仏教からは梵字や真言、名号、題目、仏の姿などが加わりました。「お守り」は護符と同じ意味で、小さく作って袋に入れて身につけるものを指します。お寺ごとに違う札があり、浅草観音には12通りの守り札があるといいます。

車やランドセルに付けるとき

道路交通法は、運転する人の視野やハンドルの操作を妨げたり、ミラーの効き目を失わせたりするような積み方をして運転してはならない、としています。ルームミラーにお守りを下げることがこれに当たるかの公的な説明は見つかりませんでしたが、下げるなら、揺れて視界の妨げにならない位置と大きさにしておきましょう。

ランドセルや通学かばんの外にお守りを付けるときの公的な決まりも、見つかりませんでした。日本ランドセル工業会は、雨にぬれた天然皮革のランドセルは、すぐに乾いた布でふいて日陰で干すよう案内しています。お守りもぬれたら、一緒にふいて乾かしておくとよいでしょう。

家でお神札をまつるとき

東京都神社庁によると、神棚は明るく清浄な、目線より高い場所に、南向きか東向きに設け、ドアの上や、ふすまの鴨居の上など、人が出入りする場所の上は避けます。神社本庁によると、三つの扉のある宮形では、中央に伊勢の神宮のお神札(神宮大麻)、向かって右に氏神さま、左に崇敬する神社のお神札をまつり、扉が一つの宮形では、手前から神宮大麻、氏神さま、崇敬する神社の順に重ねます。

神棚を設けられないときは、南向きか東向きの壁や柱の高いところに、半紙か奉書紙をあててお神札を貼ります。画びょうで直接刺さず、のりで貼るのがよいそうです。茶だんすの上を片づけてまつるのもよく、共同住宅向けの場所をとらない宮形もあります。神社本庁は、最近は洋間に合う神棚や宮形も多く、地域によっては神棚や宮形を使わない風習もあるとして、できる形でまつることが大切だ、としています。

古いお神札やお守りは、多くの神社で大晦日から1月15日ごろまでに行われるどんど焼きなどで、お焚き上げされます。受けた神社に行けないときは、近くの神社に相談するか、気持ちを添えて受けた神社に送るのもひとつ、と神社本庁は案内しています。

よくある質問

Q. お守りは、体の高い位置に付けたほうがいいですか?

A. 「目線より高い」は神棚の置き場所の目安で、お守りを付ける位置の決まりは、神社本庁などの説明には見当たりません。昔は胸、腰、腕、背などさまざまな場所に付けていました。

Q. お守りの中には何が入っていますか?

A. 東京都神社庁によると、神社の名前などが書かれた木片や紙片の札です。明治神宮の解説文は、開封しないようにとしています。

Q. お守りを複数持ってもいいですか?

A. 神社本庁は、神さまどうしがけんかする心配はない、としています。

Q. 1年たつと、お守りの効き目はなくなりますか?

A. 神社本庁は、1年ごとに新しく受けるのがよいとしながら、願いが叶うまで身につけていても差し支えない、としています。

Q. 車のルームミラーに下げてもいいですか?

A. 法律の当てはめについての公的な説明は見つかりませんでしたが、揺れて視界の妨げにならない位置と大きさにしてください。

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