クリスタルチルドレンとは|2003年の本と名前の由来、自閉症を「才能」と読み替える危うさ、子どもの発達が気になるときの相談先

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スピリチュアル基礎

感受性が強く、優しく、自然や動物が大好き。そんな子どもを「クリスタルチルドレン」と呼ぶ説明を見て、わが子や自分のことかもしれない、と感じた人もいるでしょう。

ここでは、この言葉を広めた本の原文を読み、どんな根拠で何が書かれていたのかを確かめます。本が言葉の遅れや自閉症をどう説明していたか、それへの指摘、子どもの発達で気になることがあるときの公的な相談の手順もまとめます。

言葉の出どころは2003年の本

クリスタルチルドレンとは|2003年の本と名前の由来、自閉症を「才能」と読み替える危うさ、子どもの発達が気になるときの相談先のイメージ

クリスタルチルドレンという言葉は、エンジェルナンバーでも知られるアメリカの作家ドリーン・バーチューが2003年に出した本『クリスタル・チルドレン』から広まりました。日本語版は翌2004年に『クリスタル・チルドレン 感性豊かな愛と光の子どもたち』(鈴木美保子訳、ナチュラルスピリット)として出ています。もとの記事は日本では2010年代以降に広まったと書いていましたが、日本語版はそれより早く出ていました。

国立国会図書館で書名にこの言葉を含む本は、この日本語版と2021年の小説の2冊だけで、日本語の学術論文は見つかりませんでした。図書館の分類では、日本語版の件名は「問題児」となっています。

本が書いていたこと

原書の冒頭では、クリスタルチルドレンは当時0〜7歳ほど、その前のインディゴチルドレンは7〜25歳ほどとされています。インディゴは古い仕組みを壊す「戦士」の気質を持ち、クリスタルは穏やかで人を許す性質で、インディゴが切り開いた道を進む、という説明です。生まれ年は「たいてい1995年以降」とされ、その理由として著者は、1995年7月に天使の声に助けられて武装した強盗から逃れた自分の体験と、その年に多くの人が霊的な体験をしたことを挙げています。インディゴチルドレンについては、注意欠如・多動症などと誤って診断され、薬で才能を失う、とも書いていました。

名前の由来について、もとの記事は魂のエネルギーが水晶のように透明で純粋だから、と説明していました。原書は、この子たちのオーラの色が水晶のプリズムのような多色で乳白色の淡い色合いであること、そして水晶や石に強く惹かれることを、名前の理由に挙げています。

根拠として原書が挙げるのは、著者がワークショップで子どもと心の中で会話した体験、知り合いの霊能者たちのリーディング、眠っている間に霊界から受け取った情報、ニュースレターの読者へのアンケートです。研究にもとづくものではありません。それでも原書は、この子たちを人類の進化の「具体的な証拠」と呼んでいます。同じ著者は2005年に、さらに次の世代とする「レインボーチルドレン」を加えた本も出しています。

記事が抜いていた「特徴」

原書の「特徴」の一覧は18項目あります。もとの記事が挙げていた、共感力が強い、自然や動物とのつながりが強い、天使や前世の記憶を話す、といった項目のほかに、次のような項目も並んでいます。

  • 話し始めるのが遅い
  • テレパシーや、自分で作った身ぶりで気持ちを伝える
  • 自閉症やアスペルガー症候群と診断されることがある
  • 音楽が好きで、話す前に歌うこともある
  • 大きな目と強いまなざし、怖いもの知らずで高いところに登るのが好き、肉より野菜を好む

原書は、言葉の遅れはテレパシーの才能のためで、医療や教育の専門家がそれを「異常」とみなすところから問題が始まる、と書いています。自閉症の診断が過去最多になったのはクリスタルチルドレンが増えたからだとし、自閉症を意味する英語を「畏敬に値する」という意味の造語に言い換え、診断名をつけたり薬を使ったりすれば天からの贈り物を損なう、とまで書いています。一方で、本の奥付には「著者は医学的な助言をしない」という断り書きがあります。

発達の特性を「才能」と読み替える危うさ

イギリスの研究者は2009年の論文で、自閉症をカルマや生まれ変わり、テレパシーなどで説明するニューエイジの考えと、それが自閉症の子の親や本人に与える影響を検討しています。2023年の総説は、こうした説明が、特別な食事療法、予防接種の拒否、下剤などを使った「浄化」、悪魔払いといった有害な対処につながりうる、と書いています。

発達障害ナビポータルによると、自閉スペクトラム症は、人とのやりとりやコミュニケーションの難しさと、限られた興味やこだわりの強さを特徴とし、原因は遺伝と環境の相互作用で「子育ての結果によるものではありません」。乳幼児期には目が合いにくい、指さしが少ないといった様子が見られ、言葉の発達が遅れる場合もあります。幼いうちは、一人ひとりや少人数での療育で、暮らしの力やコミュニケーションの発達をうながします。国の資料は、感覚がとても過敏であったり鈍感であったりすることも特徴に挙げています。もとの記事の「人混みや騒がしい場所で疲れやすい」は、この感覚の過敏とも重なりえます。

子どもの発達が気になるときは

国立障害者リハビリテーションセンターの保護者向けの資料は、子どもの特徴や発達のしかたは一人ひとり違うので、心配なことがあれば早めに相談し、その子に合った対応をすることが大切だ、としています。

  • まずは市区町村の保健師に相談する。保育所や幼稚園なら保育士とよく話し合う
  • 保健センター、児童発達支援センター、子育て支援センターでも相談できる(窓口は市区町村によって違う)
  • 1歳6か月児健診などの乳幼児健診は無料で、保健師に心配なことを相談できる
  • 診断は小児科医や児童精神科医が行う。病院は保健師や発達障害者支援センターに相談して探す。初めての受診には健康保険証と母子健康手帳を持ち、心配なことや家での様子を書いておくとよい
  • 発達障害者支援センターは全都道府県と政令指定都市にあり、家族も相談できる

市町村保健センターは、住民の健康相談や保健指導、健康診査を行うための施設として、地域保健法に定められています。相談することは、子どもに悪いレッテルを貼ることではありません。早く特徴を知れば、その子が過ごしやすい環境を整える手がかりになります。

言葉を広めた本人のその後

バーチューは2017年にキリスト教に改宗し、以前の教えを否定して、古い本や製品を使うのも売るのもやめてほしいと呼びかけています。クリスタルチルドレンの考えを広めた本人が、今はその教えから離れていることも知っておいてください。

繊細な子どもとのつきあい方

優しくて感受性の強い子どもは、そのよさを大切に育てたいものです。ただ、特別な魂のしるしとして見るよりも、その子が何に困り、何が得意なのかを一つずつ見ていくほうが、子どもの助けになります。誰にでもある程度当てはまる特徴の一覧で、子どもや自分を判定しないようにしましょう。

よくある質問

Q. クリスタルチルドレンとは何ですか?

A. ドリーン・バーチューが2003年の本で広めた言葉で、1995年以降に生まれた穏やかで感受性の強い子どもたちを指すとされました。研究にもとづく分類ではありません。

Q. 名前の由来は何ですか?

A. 原書は、オーラの色が水晶のプリズムのような多色であることと、水晶や石に惹かれることを理由に挙げています。

Q. クリスタルチルドレンと自閉症は関係ありますか?

A. 原書は、自閉症の診断が増えたのはクリスタルチルドレンが増えたからだとし、診断や薬に反対していました。こうした考えは有害な対処につながりうると指摘されています。

Q. 子どもの言葉が遅いのは才能のしるしですか?

A. 言葉の遅れは発達の特性のこともあります。心配なときは、まず市区町村の保健師に相談してください。

Q. わが子が当てはまる気がします。

A. 特徴の一覧は多くの子に当てはまるものです。困っていることがあれば保健センターや発達障害者支援センターに相談できます。

Q. 日本ではいつから知られていますか?

A. 日本語版の本が2004年に出ています。

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