「透明感がある人」と言われるとき|肌の透明感を測った研究と、オーラ・波動の話の出どころ

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オーラ・チャクラ・波動

「透明感があるね」と言われると、うれしいけれど、何をほめられたのかは分かりにくいものです。スピリチュアルの解説では、透明感のある人はオーラが白く澄んでいる、波動が高い、と説明されます。

ここでは、この言葉を二つに分けて見ていきます。一つは肌の見え方としての透明感。こちらは実際に測られていて、研究があります。もう一つは、オーラや波動としての説明。こちらは出どころをたどれるのかを確かめます。

肌の「透明感」は、測られている

「透明感がある人」と言われるとき|肌の透明感を測った研究と、オーラ・波動の話の出どころのイメージ

肌の透明感は、もともと感覚的な言葉でした。2005年に日本化粧品技術者会誌に出た研究は、実用的な評価の方法は美容技術者が目で見るしかなく、どんな肌の性質が透明感を変えるのかも明らかになっていない、という書き出しで始まっています。

その研究では、肌に当てた光の反射を、表面でそのまま跳ね返る光(鏡面反射)と、肌の内部に入って散って出てくる光(拡散反射)に分けて測りました。すると、透明感の評価は拡散反射光の強さと強く結びついていて(相関係数0.699)、表面で跳ね返る光とはほとんど関係がありませんでした(0.190)。

つまり、透明感と呼ばれているものは「つやつや光っている」ことではなく、光が肌の中に入って、やわらかく散って出てくる状態だということです。同じ研究では、透明感の高い肌は、キメが細かく整っていて、角層の水分量が多く、メラニンの量とヘモグロビンの量が少ないことも示されています。

色のムラの少なさは、印象と結びついている

2007年に皮膚科の雑誌に出た研究では、11歳から76歳までの女性170人の頬の画像を353人に評価させました。画像の色が均一なものほど、魅力的・健康そう・若々しいという評価と結びつき(いずれも相関0.40を超える)、推定された年齢は低くなりました(相関マイナス0.45)。

肌の色をつくっているのは、主にメラニンとヘモグロビンです。日焼けやしみでメラニンが偏り、血の巡りでヘモグロビンの見え方が変わると、色のムラとして現れます。「透明感がある」と言われる人は、この色のムラが少ない人、と言い換えられます。

ここで挙げた研究は、肌の見え方についてのものです。人柄や雰囲気、話し方についての「透明感」を調べた研究は見つかりませんでした。

化粧品の広告で「透明感」はどう扱われるか

化粧品が広告で言える効能は56項目に決められています。「肌を整える」「肌のキメを整える」「皮膚にうるおいを与える」などが並ぶ一覧ですが、この中に「透明感」という言葉はありません。

業界のガイドラインでは、広告は56項目の範囲で行うこと、薬のような作用(血行を促進する、真皮を再生するなど)は書けないこと、化粧を施したときの見え方や使用感は、事実に反しない限り書けることが示されています。基礎化粧品で、色による効果以外の物理的な効果を言うなら、裏づけとなるデータが必要とされています。

だから「塗るだけで肌が生まれ変わる」「飲むだけで透明感」といった言い方を見かけたら、何をどう測った話なのかを確かめてよい、ということです。言葉の響きで選ばずに済みます。

同じガイドラインは、使った人の感想についても触れています。効能や安全性にあたる部分を感想として語らせることは避けるべきで、感想は裏づけのない個人の意見であるのに、読む人には説得力を持ってしまうからです。「使ったら透明感が出た」という声がいくつ並んでいても、それは測った結果ではありません。

「透明なオーラ」という分類の出どころ

オーラの色に意味を当てる考え方は、20世紀の初めに西洋で書かれた神智学の本から広まりました。1905年の本の口絵には「色の意味」という表があり、高い霊性=淡い青から、悪意=黒まで、25色が並んでいます。この表に、白や透明という項目は見つかりませんでした。

つまり、「オーラが透明」という分類は、オーラの色の考え方のもとになった本にはない読み方です。いつ誰が作ったのかもたどれませんでした。白=純粋さ、透明=こだわりのなさ、といった対応も、同じく出どころが分かりません。

オーラが見えるという人を相手にした試験では、ついたての後ろに人がいるかを当てる成績が偶然と変わらず、1998年に医学雑誌に載った試験でも、施術者21人の正答は280回のうち44%でした。でたらめに答えても50%になる試験です。

「波動が高い」という言い方

「波動が高い」は、スピリチュアルの世界でよく使われる言い方です。ただ、人や物の状態を「波動の高さ」として測れるとする測定法や研究は見つかりませんでした。物理学や医学の裏づけはありません。

気をつけたいのは、この言葉がお金の話と結びつくときです。2008年には、水に振動を与えるという装置や「波動測定器」を売った会社に対し、購入した人たちが損害賠償を求めて提訴し、被害総額が2億6000万円と報じられました。高額な機器やセッションを勧められたときは、その場で決めず、家族や消費生活センターに相談してください。

「透明感がある人」の特徴として語られること

解説でよく挙げられるのは、素直である、人を責めない、こだわりが少ない、雰囲気が静かだ、といった特徴です。どれも、それを確かめた調べものは見つかりませんでした。多くの人に当てはまる書き方なので、読めば心当たりが出てきます。

一方で、肌の見え方については、確かめられていることがあります。キメが整っていること、角層の水分量、色のムラの少なさ。日焼けを避け、保湿をして、睡眠を取る。こうした地味なことが、「透明感」と呼ばれている見え方に関わっている、というのが研究から言えることです。

気になるときに、できること

  • 日焼け止めを使う。メラニンの偏りは色のムラとして出る
  • 保湿を習慣にする。角層の水分量は透明感の評価と結びついていた
  • 肌の変化が続くときは、自己判断の前に皮膚科にかかる
  • 「波動を上げる」と勧められる高額な商品やセッションは、その場で決めない

オーラや波動の話は、言い伝えとして楽しむ分には害がありません。ただ、それを理由にお金を使うときと、肌の変化を放っておくときだけは、立ち止まる価値があります。

よくある質問

Q. 肌の「透明感」とは、何を指しているのですか?

A. 2005年の研究では、透明感の評価は、肌の内部に入って散って出てくる光(拡散反射光)の強さと強く結びついていました(相関係数0.699)。表面でそのまま跳ね返る光とは、ほとんど関係がありませんでした。

Q. 透明感のある肌には、どんな特徴がありますか?

A. 同じ研究で、キメが細かく整っていて、角層の水分量が多く、メラニンの量とヘモグロビンの量が少ないことが示されています。2007年の研究では、色のムラが少ない肌ほど若々しく健康そうに評価されました。

Q. 「オーラが透明」というのは、どこから来た分類ですか?

A. オーラの色の考え方のもとになった1905年の本の色の表は25色で、白や透明の項目は見つかりませんでした。いつ誰が作った分類かも、たどれませんでした。

Q. 「波動が高い」には根拠がありますか?

A. 人や物の状態を波動の高さとして測れるとする測定法や研究は見つかりませんでした。物理学や医学の裏づけはありません。

Q. 化粧品の広告に「透明感」と書いてあるのは問題ないのですか?

A. 化粧品が言える効能の56項目に「透明感」という言葉はありません。化粧を施したときの見え方や使用感としてなら、事実に反しない限り書けるとされています。薬のような作用の表現はできません。

Q. 性格や雰囲気の「透明感」についての研究はありますか?

A. 見つかりませんでした。確かめられているのは肌の見え方についての研究だけです。

Q. オーラが見えると言われたら、信じていいのでしょうか?

A. 見える力を確かめる試験では、当てられたという結果は出ていません。言われてうれしい言葉として受け取るのは自由ですが、それを理由に高額な鑑定や物を勧められたときは、その場で決めないでください。

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