グラウンディングとルートチャクラ|16世紀の本が描くムーラーダーラ、アーシングの研究の実情、素足で歩くときの注意

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オーラ・チャクラ・波動

地に足がついていない感じがする、考えごとで頭がいっぱい。そんなときに勧められるのが「グラウンディング」で、体の根もとにあるルートチャクラ(第1チャクラ)と結びつけて説明されます。

ここでは、ルートチャクラにあたるムーラーダーラが16世紀の文献でどう描かれているかを英訳で確かめます。素足で大地に触れる「アーシング」の研究の実情、素足で歩くときの注意、記事で勧められていた食べものやヨガの出どころもまとめます。

グラウンディングという言葉

グラウンディングとルートチャクラ|16世紀の本が描くムーラーダーラ、アーシングの研究の実情、素足で歩くときの注意のイメージ

グラウンディングは、1950年代にアメリカの心理療法家ローウェンらが始めた、体の感覚を重んじる療法から広まった言葉です。素足で地面に触れる「アーシング」は、2010年のアメリカの本から広まりました。

心理療法でも、つらい記憶に圧倒されそうなときに今いる場所の感覚に注意を戻す「グラウンディング技法」が使われます。ただし2026年の総説は、この技法はよく挙げられるのに、測れる定義が定まっていないため、効果がきちんと研究されていないと書いています。もとの記事は「見えるものを5つ言う」などの方法を「特に有効」としていましたが、そこまでは言えません。

16世紀の本が描くムーラーダーラ

チャクラを説明した1577年の文献『シャット・チャクラ・ニルーパナ』の英訳は、会陰のムーラーダーラを次のように描いています。

次にアーダーラの蓮に至る。性器の下、肛門の上にあり、深紅の4枚の花弁をもつ。花弁には4つの文字があり、輝く金色である。

訳者の説明では、この蓮の中には「地」の要素を表す黄色い四角があり、地の種子音「ラン」も黄色で、地の強さと固さを表す象アイラーヴァタに乗っています。神はブラフマー、女神はダーキニーで、中の三角形には若葉の色のリンガがあり、稲妻のように光るクンダリニーが3回半巻きついて眠っています。6つのチャクラの根にあるので「ムーラ(根)」と呼ぶ、と注釈は書いています。

もとの記事は、ルートチャクラの色は赤で、生存本能や物質的な豊かさを司ると説明していました。花弁は確かに深紅ですが、中心の四角は黄色で、色は一つではありません。文献がこのチャクラに結びつけるのは「地」の要素と嗅覚、足で、生存本能や豊かさの話は出てきません。心の性質を当てる一覧は、20世紀の西洋の本から広まったものです。

アーシングの研究の実情

もとの記事は、アーシングを「科学的な研究でも注目されている分野」と書いていました。けれども、論文のデータベースで探しても、アーシングの効果を調べた系統的レビューは見つかりませんでした。見つかった総説6本は、どれも効果があるという立場で書かれたもので、研究の集め方や質の評価の手順をとったものではありません。

そのうち3本は、2012年の論文で「アーシングの研究を支援している会社と契約し、その会社の株を少し持っている」と開示した研究者たちが書いたものです。個々の試験も、40人を1時間だけ地面につないだ実験や、16人のマッサージ師を6週間調べたものなど、小さなものでした。

アーシングの商品にも注意が要ります。イギリスの製品安全の当局は2025年、通信販売で売られていたアース用のシーツについて、付属のプラグが基準を満たさず感電の危険が高いとして、輸入を差し止めました。

素足で歩くときの注意

公園や庭を素足で歩くこと自体は気持ちのよいものですが、もとの記事には安全の注意が一つもありませんでした。

  • 破傷風: 菌は土の中に広くいて、土で汚れた傷から入る。日本では今も年に約100人がかかり、5〜9人が亡くなっている。最後のワクチンから10年以上たっていれば、けがのときに追加の接種が勧められる
  • 糖尿病の人: 足の感覚が鈍くなり、けがややけどに気づきにくい。公的な医療機関は「素足を避け、靴下を履いて」足を守るよう勧めている
  • 夏の暑い日: 素足で砂浜やプールサイドを歩くと、やけどをすることがある

足に傷があるときは素足を避け、けがのまわりが赤くはれる、熱を持つ、うみが出るといったときは医療機関を受診してください。破傷風は、けがから3〜21日ほどで症状が出ることがあり、1968年より前に生まれてワクチンを受けていない人に多いとされています。

食べもの、色、ヨガのポーズ

もとの記事は、大地のエネルギーを持つ食べものとして根菜や「土に由来する味噌・醤油」を勧めていました。辞典によると、味噌は大豆を蒸してつき砕き、麹と塩を加えて発酵させたもので、土に由来する食べものではありません。味噌や醤油をとるなら、塩分にも気をつけてください。2025年版の食事摂取基準では、食塩の目標量は成人男性7.5g未満、女性6.5g未満で、高血圧で治療している人は6g未満です。令和5年の国の調査では、平均は9.8gでした。

ルートチャクラを活性化するとされていた「山のポーズ」は、16世紀ごろのヨガの古典『ハタ・ヨーガ・プラディーピカー』の第1章に並ぶ体位の中には出てきません。この章に並ぶのは座る、横たわる、腕で体を支えるといった体位で、シヴァは84の体位を教えた、と書かれています。赤や茶の服、レッドジャスパーなどの石をルートチャクラに当てた最初の出どころも見つかりませんでした。石については、本物と見た目をそろえた偽物で比べた試験で差がなかったことが分かっています。

「乱れのサイン」が続くときは

もとの記事が挙げていた、なんとなく不安が続く、気力がわかない、根拠のない恐怖感がある、といった状態は、不安やうつの症状と重なります。続くときは、ルートチャクラの乱れとして抱え込まず、かかりつけの医師や「こころの耳」などの相談窓口を頼ってください。

地に足をつける、をどう取り入れるか

グラウンディングの考えを生かすなら、靴を履いて散歩する、ゆっくり呼吸して足の裏の感覚に注意を向ける、といった安全な形で十分です。どんなときに落ち着かなくなるのか、自分の状態に気づくきっかけとして使ってみてください。

例として、7つのチャクラを紹介した入門書『はじめてチャクラの本』(矢尾こと葉、永岡書店、2013年。CDつき)の販売ページです。グラウンディングを中心にした本ではありません。

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よくある質問

Q. グラウンディングとルートチャクラはどう関係しますか?

A. どちらも「地」や「根」に結びつけて語られますが、グラウンディングは1950年代のアメリカの心理療法から、ルートチャクラはインドのタントラの文献から来た考えです。

Q. ルートチャクラの色は赤ですか?

A. 16世紀の文献では花弁は深紅ですが、中心の「地」の四角と種子音は黄色です。色は一つではありません。

Q. アーシングには科学的な効果がありますか?

A. 系統的レビューは見つからず、総説の多くは研究を支援する会社と関わりのある研究者が書いたものです。試験も小さく、効果ははっきりしていません。

Q. 素足で地面に立っても大丈夫ですか?

A. けがのない足で短い時間なら楽しめますが、土で汚れた傷からは破傷風になることがあります。糖尿病の人は素足を避けてください。

Q. 味噌や根菜はグラウンディングによいのですか?

A. そう確かめた資料はありません。味噌は大豆と麹と塩でできていて、とるなら塩分に気をつけてください。

Q. 地に足がつかない感じが続きます。

A. 不安やうつの症状のこともあります。続くときは医師や相談窓口に相談してください。

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