ユニバーサル・ウェイト・タロットは、タロットの入門書の多くが説明に使う「ライダー版」の絵をもとに、色を塗り直したデッキです。アメリカのタロットの出版社、USゲームズ・システムズ社から1990年に出ました。
日本では、日本語の解説書を付けたセットとして売られていることがよくあります。ここでは、ライダー版とのちがい、日本語の解説書付きセットの中身、名前の似た別のデッキとの見分け方、使い始め方と手入れを順にまとめます。
ライダー版の絵に、色を塗り直したデッキ

もとになったライダー版は、1909年にイギリスで作られたタロットです。オカルト研究家のアーサー・ウェイトが、画家のパメラ・コールマン・スミスに78枚の絵を頼み、それまで記号を並べただけだった小アルカナにも、一枚ずつ場面の絵を描いたことで知られています。いま日本で手に入るタロットの入門書も、多くがこのライダー版の絵で説明しています。
ユニバーサル・ウェイト・タロットは、スミスの絵に、メアリー・ハンソン=ロバーツが新しく色を塗ったものだと、出版社は紹介しています。ライダー版のくっきりした平らな塗りに比べて、柔らかく落ち着いた色合いになっているのが特徴です。線の絵も描き直されている、という見方もあり、細部まで同じ絵というわけではありません。
カードの大きさは約7×12センチ。絵の構図と札の番号はライダー版と同じなので、ライダー版で書かれた入門書の説明を、そのまま当てはめて読めます。8番が「力」、11番が「正義」という番号の付け方も、ライダー版と同じです。
「ライダー版」という名前の由来
ライダー版の「ライダー」は、1909年に最初にこのデッキを出した、ロンドンの出版社ウィリアム・ライダー&サンの名前です。作った人の名前から「ウェイト=スミス版」、三つを合わせて「ライダー・ウェイト・スミス版」とも呼ばれます。
絵を描いたスミスは、ウェイトと同じく、魔術の研究団体「黄金の夜明け団」の一員でした。長いあいだ、デッキの名前にスミスの名が入らなかったため、いまでは、スミスの仕事を正当に認める意味で「スミス=ウェイト版」と呼ぶ人もいます。ウェイトの解説書は、1909年に『タロットの鍵』として出て、1911年に絵入りの改訂版『タロット図解』が出ました。
ウェイトの本にある並べ方「ケルト十字」
ウェイトの『タロット図解』には、「古いケルトの占い方」として、10枚を使う並べ方が載っています。いまも「ケルト十字」と呼ばれて広く使われている並べ方です。ウェイトは、決まった問いへの答えを得るのに最も向いた方法だ、と書いています。
最初に、占う人や事柄を表す札を1枚選んで置き、その上に札を重ねていきます。ウェイトの説明では、最初の6枚の位置は次のような意味です。
- 1枚目
その事柄に、全体として影響していること - 2枚目
妨げになっていること - 3枚目
目指していること、理想 - 4枚目
すでに土台になっていること - 5枚目
過ぎ去りつつある影響 - 6枚目
これから働き始める影響
ユニバーサル・ウェイトはライダー版と同じ構図なので、こうしたライダー版の並べ方の解説を、そのまま使えます。はじめは1枚引きや3枚引きで慣れてから、ケルト十字に進むと、10枚の読み合わせに戸惑わずに済みます。
日本語の解説書は、販売店の付録
日本語の解説書付きのセットとして売られているものでも、調べた範囲では、出版社が出した「日本語版」は見つかりませんでした。付いている日本語の冊子は、販売店が用意した付録です。中には「商品専用の解説書ではありません」と明記している店もあります。
付録の中身は店ごとに違うので、買う前に、何ページあるか、78枚すべての意味が載っているか、正位置と逆位置の両方が書かれているかを、販売ページで確かめてください。付録が簡単なものなら、ライダー版の絵で説明している入門書を一冊、別に用意すると迷いません。
英語の小冊子だけが付いたセットもあります。英語が苦手なら、日本語の付録が付いたものか、日本語の入門書と組み合わせて選びます。
名前の似た「ユニバーサルタロット」とは別物
通販で探すと、イタリアのロ・スカラベオ社の「ユニバーサルタロット」という、別のデッキも一緒に出てきます。こちらは別の画家が描いたデッキで、日本でも『新解釈 ユニバーサルタロット』(ガイアブックス、2026年)のような、日本語の本とのセットが出ています。
名前はよく似ていますが、絵はまったく違います。欲しいのがどちらなのか、販売ページの写真と、出版社の名前で確かめてから選んでください。
選ぶときに見るところ
- 大きさ
通常の大きさのほか、小さく作った版や、缶に入った版もあります。手の大きさと、持ち歩くかどうかで選びます。 - 付いている冊子
英語の小冊子か、日本語の付録か。日本語の付録なら、中身の詳しさを確かめます。 - 出版社
USゲームズ・システムズ社のもの。イギリスでは、ライダー社の名前で出ている版もあります。
使い始め方
- 届いたら、78枚そろっているかを数える。足りない札や印刷の不良は、早いうちなら交換してもらえることがある
- 最初は大アルカナ22枚だけで、毎朝1枚引く。絵をよく見てから、付録や入門書で意味を確かめる
- 引いた札とその日の出来事を、一行ずつ書いておく
- 慣れてきたら、小アルカナも混ぜて引く
柔らかい色合いのデッキなので、絵の細部をじっくり見るのに向いています。札の中の人物の表情や、背景の空の色に目を留めると、解説書の言葉だけでは分からない読み方が見つかります。
札の混ぜ方は、テーブルの上に広げて両手で円を描くように混ぜる方法と、手の中で束を切って混ぜる方法があります。逆位置も読むなら、広げて混ぜる方法のほうが、上下の向きが自然にばらけます。新しいカードは硬いので、最初は少しずつ混ぜて、手になじませてください。
長く使うための手入れ
カードは紙でできているので、湿気と手の脂が傷みの原因になります。浴室や台所の近くに置かない、手を洗ってから触る、使わないときは箱か布の袋にしまう、の三つを守るだけで、ずいぶん長持ちします。一枚でも失くすと、同じ札だけを買い足すことはできないので、床に落とした札がないか、片付けるときに数を確かめる習慣をつけておくと安心です。
よくある質問
Q. ユニバーサル・ウェイト・タロットとライダー版は、何が違いますか?
A. 絵の構図と番号は同じで、色の塗り方が違います。ユニバーサル・ウェイトは、スミスの絵にメアリー・ハンソン=ロバーツが新しく色を塗った、柔らかい色合いのデッキです。
Q. 日本語の解説書は付いていますか?
A. 出版社が出した日本語版は見つかりませんでした。日本語の解説書付きとして売られているセットの冊子は、販売店の付録で、中身は店ごとに違います。
Q. 初心者でも使えますか?
A. 使えます。ライダー版と同じ絵の構図なので、ライダー版で説明している入門書を、そのまま当てはめて読めます。
Q. ライダー版とどちらを買えばいいですか?
A. 絵の構図は同じなので、色合いの好みで選んでかまいません。くっきりした色が好きならライダー版、柔らかい色合いが好きならユニバーサル・ウェイトです。付いている冊子の言語と中身も、あわせて確かめてください。
Q. 「ユニバーサルタロット」と同じものですか?
A. 違います。「ユニバーサルタロット」はイタリアのロ・スカラベオ社の別のデッキで、絵がまったく違います。出版社の名前で見分けてください。
Q. ケルト十字はどんな並べ方ですか?
A. ウェイトが『タロット図解』で紹介した、10枚を使う並べ方です。占う事柄を表す札を1枚選び、その上に、全体の影響、妨げ、目指すこと、土台、過ぎ去る影響、これからの影響、と札を重ねていきます。


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