直感が当たるのはどんなときか|直感と直観の違い、当たる条件の研究、「静かな確信」は当てになるか、直感力を鍛える予想ノート

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スピリチュアル基礎

なんとなく嫌な予感がして予定を変えたら、あとでそれが正しかったと分かった。理由は説明できないのに、選んだ道がうまくいった。そんな経験から、直感が当たるのはなぜだろう、自分は直感が強いのだろうか、と考えることがあります。スピリチュアルの本やサイトでは、直感は魂や高い次元の自分からのメッセージで、当たるのは正しい方向を示してくれているしるしだ、と説明されることもあります。

ここでは、まず辞典で「直感」と「直観」、「第六感」「勘」の意味を確かめます。そのうえで、心理学の研究から、直感が当たるのはどんな条件のときか、確信や体の感覚は当てになるのか、直感で決めたほうがよい場面はどこかを見ていき、直感力を鍛える方法として「予想ノート」の見本を紹介します。

直感と直観、第六感、勘

直感が当たるのはどんなときか|直感と直観の違い、当たる条件の研究、「静かな確信」は当てになるか、直感力を鍛える予想ノートのイメージ

辞典によると、「直感」は、推理や考察によらず、感覚で物事をとらえること、説明や証明を待たずに物事の真相を心で感じ取ることです。日本国語大辞典が挙げる古い例は、1903年の国木田独歩の作品です。よく似た「直観」は、哲学で、推理を使わずに対象を直接とらえることを言い、英語やドイツ語の哲学の言葉の訳として広まりました。古い例は1897年の高山樗牛です。

もとの記事は、古代ギリシャのプラトンが魂の知覚、つまり直感を重んじた、と書いていましたが、辞典でプラトンの例として挙げられるのは「イデアの直観」で、感覚や思考を超えた認識の最も高い段階のことです。日常の「勘」の意味の直感とは別の話です。百科事典も、日常の勘や予感が直観と呼ばれることはあるが、本当の知かどうか確かでないので、哲学ではあまり問題にしない、と書いています。

「第六感」は、五感を超えて、鋭く物事の本質をつかむ心の働きのことです。百科事典によると、英語の「第六の感覚」という言い方は、イギリスの解剖学者ベルが1826年に、筋肉や体の動きを感じる感覚をそう呼んだのが文献上の初めとされます。日本語の「第六感」の古い例(大正から昭和のはじめ)は、すでに今と同じ直感の意味で使われています。「勘」は1614年の書物に例があり、1933年には心理学者の黒田亮が『勘の研究』を出して、直覚や第六感、虫の知らせ、練習による慣れ、こつなどを、勘と呼ばれるものとして挙げました。勘は長い経験の積み重ねから生まれるとする辞典もあれば、必ずしも長い経験を前提としないとする辞典もあります。よくないことが起こりそうだと感じる「虫の知らせ」は、1781年の例があります。

もとの記事は、心理学者ユングの集合的無意識が「直感=高次の自己とのつながり」という解釈に影響した、と書いていましたが、その出典は見つかりませんでした。ユング自身は1921年の『タイプ論』で、直観を、感覚・思考・感情と並ぶ心の4つの働きの一つとして扱っています。

直感が当たるのは、どんなときか

直感がよく当たる人として知られているのが、経験を積んだ消防の現場指揮官です。経験が平均23年の指揮官26人に聞き取りをして156の判断の場面を調べた研究では、2つ以上の選択肢を並べて比べていたのは12%に満たず、8割を超える場面では、経験から状況を「よくある型」と見抜き、その型に合う行動を一つ思い浮かべて動いていました(1985年の報告を2010年に論文として載せたもの)。

では、直感はいつでも当たるのでしょうか。直感を高く評価する研究者と、直感の誤りを研究してきたカーネマンが一緒に書いた2009年の論文は、直感的な判断の質は、その場面にどれだけ規則性があるか、そしてその人がその規則性を学ぶ機会があったかで決まる、とまとめています。学ぶ場面と使う場面がよく一致している「親切な」環境では直感が育ち、ずれている「意地悪な」環境では誤りが生まれる、という研究もあります。

見知らぬ人に、大学の教員の授業の様子を音を消した30秒足らずの動画で見せると、その印象が学期末の学生の授業評価をかなりよく言い当てた、という研究(1993年)もあります。ただし当てたのは「ほかの人がどう評価するか」で、教員の本当の実力ではありません。

「静かな確信」で、直感と思い込みを見分けられるか

もとの記事は、本物の直感には焦りや不安ではなく「静かな確信」が伴い、思い込みは不安から生まれる、と書き、確信の感じで直感と思い込みを見分けられるとしていました。けれども、2009年の論文は、本人がどれだけ確かだと感じるかは、判断が正しいかどうかの当てにならない、とはっきり書いています。

選択式の試験では、最初の答えを変えないほうがよい、と多くの人が信じています。ところが、この問題を調べたほとんどの研究で、答えを変えた場合の多くは誤りから正解への変更で、答えを変える人はたいてい点が上がっていました。それでも最初の直感を信じたくなるのは、答えを変えて間違えたときのほうが「変えなければよかった」と強く悔やみ、記憶に残るためだ、と2005年の研究は説明しています。

体の感覚は、直感の手がかりになるか

カードの山を選んでお金を増やす実験(アイオワ・ギャンブル課題)では、健康な人は、どの山が得かを言葉で説明できるようになる前から有利な山を選び始め、危ない山に手を伸ばす前に手のひらの汗の反応が出ていた、と1997年に報告されました。体の信号が意識より先に判断を導く、という説の根拠になった実験です。ただし、もっと細かく聞くと参加者はゲームのことを思ったよりよく分かっていた、という研究や、証拠がこの課題に頼りすぎているという批判も出ています。

自分の心拍をよく感じ取れる人ほど、体の信号が直感的な選択に強く影響していた研究(2010年)では、その信号が有利な選択を指しているときは助けになり、不利な選択を指しているときは邪魔になりました。高頻度の取引をするロンドンのトレーダー18人は、心拍を感じ取る課題の得点が比較の人たちより高く、得点の高い人ほど成績もよかった、という研究もありますが、人数が少なく、その課題の測り方そのものにも572人を調べた研究から疑問が出ています。「体の声に従えば当たる」とまでは言えません。

気分も影響します。3つの言葉に共通する連想があるかどうかを直感で見分ける課題では、前向きな気分のときに正確さが上がり、悪い気分では偶然と同じになりました(2003年)。うつ病の人は同じ課題の成績が低いという報告もありましたが、事前に計画を登録して行った追試では再現されませんでした。

直感で決めたほうがいい場面

直感がいつも劣るわけではありません。イチゴジャムの好みを、理由を分析しながら評価した学生は、専門家の評価と食い違いやすくなり、好きな理由を考えてからポスターを選んだ人は、3週間後の満足度が低くなりました。

一般の256人に、14日間、日常の決めごと(合わせて6,779回)のたびに「直感で決める」か「よく考えて決める」かを割り当てた2024年の研究では、直感で決めたときのほうが気分がよく上がり、決めたことを実行しやすく、選んだものへの満足も高くなりました。効いていたのは決めやすさで、「正しいという感じ」ではありませんでした。

もとの記事は、ランチを直感で選ぶなど小さな選択で成功体験を積めば、大きな選択でも直感を信頼できるようになる、と書いていました。ランチを直感で選ぶのは、満足の面では研究と合っています。けれども、ランチには正解がないので、当てる力の練習にはならず、転職や大きな買い物のように、一度きりで結果が分かるのが遅い決断を直感に任せてよい根拠にもなりません。

ひと晩寝かせると、ひらめくか

もとの記事は、眠る前に答えを教えてほしいと意図すると、夢でヒントを得た経験を持つ人も多い、と書いていました。眠りと気づきの研究はありますが、条件つきです。隠れた規則に気づけば一気に速く解ける課題で、先に練習してから8時間眠った人は、起きていた人の2倍を超える割合で規則に気づきましたが、先に練習しないまま眠っても気づきは増えませんでした(2004年)。103人の研究(2021年)では、眠りの入り口の浅い眠りに15秒以上いた人の83%が規則に気づき、起きていた人の30%を大きく上回りましたが、深く眠ってしまうと効果は消えました。

昼間にしっかり取り組んだ問題は、ひと眠りしたあとに解けることがある、とは言えますが、夢の中で答えを教わることを示した研究ではありません。また、複雑な選択は意識して考えずに別のことをしたあとのほうがよくなる、という2006年の研究は、399人で条件をそろえた追試では効果が出ませんでした。

直感力を鍛える「予想ノート」

直感が育つのは、規則性があり、結果がすぐはっきり分かる場面で、何度も練習したときです。地政学の出来事の確率を2年間予測し合った大会の研究(2014年)でも、確率の考え方の練習、話し合い、成績の記録が、予測の正確さを高めていました。日常でまねするなら、結果がすぐ分かることについて、予想と確信の度合いを先に書き、結果をあとで書き足す「予想ノート」が手軽です。

予想ノートの見本

  • 10/23 予想「会議は30分で終わる」 確信70% 結果「45分」 外れ
  • 10/23 予想「帰りは雨が降らない」 確信60% 結果「降らなかった」 当たり
  • 10/24 予想「Aさんから今日中に返事が来る」 確信80% 結果「翌朝に来た」 外れ
  • 月末に、確信70%と書いた予想が実際に何割当たったかを数える。外れも消さずに残す

使うのは、家を出てから駅に着くまでの時間、会議の長さ、天気、返事が来るかどうかのように、何度も起きてすぐ答え合わせができることです。当たった予想だけを後から思い出すと、直感が当たる気がしてしまいます。結果より先に書き、外れも残しておくことが大切です。

例として、直感をテーマにした上地一美さんの『なぜかうまくいく人のすごい直感力』(学研プラス、2022年)の販売ページです。宮古島で未来鑑定士をしている著者が、決断のときの直感のつかみ方を紹介する本で、研究の本ではありません。2015年の本を改題・再編したものです。

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よくある質問

Q. 直感と直観は何が違いますか?

A. 直感は、推理によらず感覚で物事をとらえること、直観は主に哲学で、推理を使わずに対象を直接とらえることを指します。辞典では重なる意味としても扱われます。

Q. 直感が当たるのはどんなときですか?

A. その場面に規則性があり、その規則性を学ぶ機会があったときです。経験を積んだ消防の指揮官の判断などがその例です。

Q. 静かな確信があれば、本物の直感だと言えますか?

A. 研究では、本人の確信の強さは判断の正しさの当てにならないとされています。大事な決断は、確信の感じだけで決めないでください。

Q. 試験で最初に選んだ答えは変えないほうがいいですか?

A. 多くの研究で、答えを変えた場合の多くは誤りから正解への変更でした。見直して理由があるなら、変えてかまいません。

Q. 直感力は鍛えられますか?

A. 結果がすぐ分かることについて、予想と確信の度合いを先に書き、あとで答え合わせをする練習が、研究の考え方に沿った方法です。

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