しばらく会っていない人をふと思い出していたら、その日のうちに連絡が来た。こうした出来事は、スピリチュアルの解説では「エネルギーの共鳴」「宇宙からの知らせ」として紹介されることが多いものです。
ここでは、「考えていたら連絡が来た」という体験を実際に調べた実験と、その追試の結果を見ていきます。そのうえで、急な連絡が重なりやすい現実のきっかけ、よく見かける説明のうち確かめられていないもの、受け止め方を順にまとめます。
「考えていたら連絡が来た」を調べた実験

電話をかけてくる相手を当てられるかどうかは、実験で調べられています。2003年に報告された実験では、参加者にあらかじめ4人の候補を挙げてもらい、そのうちの誰かが電話をかけます。参加者は、出る前に相手の名前を言います。
63人が571回行い、正しく答えられたのは40%でした。4人から選ぶので、でたらめでも25%は当たります。候補が親しい知人のときは53%、ほとんど知らない人のときは25%だったと報告されています。
ただ、この実験には批判があります。参加者が本当にその場で答えていたかを録画で確かめたのは、電話の実験で4人、メールの実験で5人だけだった、と2006年に報じられました。
別のチームの追試では、偶然と差がなかった
同じやり方を、別の研究チームが2009年に試しています。21人に各20回ずつ行い、正答は26.7%でした。偶然に当たる割合との差は、意味のある差とは言えませんでした。
一つの実験で出た結果が、別のチームの実験で再び出るかどうかは、確かめるうえで欠かせない手順です。いまのところ、「思っていると相手に伝わる」という説明に、よい証拠はありません。
証拠がないことは、体験がなかったという意味ではありません。思い出していた人から連絡が来れば、驚くのが自然です。説明のつけ方と、体験そのものを分けて考えると、落ち着いて受け止められます。
急な連絡には、現実のきっかけがある
久しぶりの連絡は、相手の側のきっかけで起きていることがよくあります。思い当たるものがないか、確かめてみてください。
- 昔の写真や投稿が表示された
フェイスブックの「過去のこの日」は、2015年に始まった機能で、何年か前の同じ日の投稿を見せ、通知も受け取れます。一緒に写っていた人を思い出して連絡する、という流れが起きます。 - 誕生日の通知
ラインには、その日が誕生日の友だちを知らせる機能と、お祝いのカードを送る案内があります。連絡のきっかけとして、いちばん多いものの一つです。 - 季節のあいさつ
暑中見舞いや年賀状は、日本郵便の説明でも、普段なかなか会えない人に近況を伝えるものとされています。その準備で、連絡先を見返す人がいます。 - 節目の知らせ
引っ越し、結婚、転職、同窓会の案内。本人に大きな出来事があった時期は、まとめて連絡が来ます。 - 連絡先の整理
機種を変えたとき、アプリを入れ直したときに、残っていた相手へ一斉に連絡する人もいます。
自分が相手を思い出したきっかけも、同じところにあることがあります。同じ写真が表示され、同じ季節が来て、同じ同窓会の案内が届いていれば、二人が同じ日に思い出すのは不思議ではありません。
「量子力学で説明できる」という説明について
急な連絡の解説で、「量子力学の考え方からも、人と人のつながりは支持されている」と書かれていることがあります。これは物理学の内容とは関係のない話で、物理学の用語を借りて不思議な現象を説明しようとするやり方は、疑似科学として批判されています。
同じように、「意識や感情がエネルギーとして相手に届く」という説明も、確かめられていません。先に書いた実験の追試でも、偶然との差は出ませんでした。
「意味のある偶然」という言葉
こうした出来事は、ユングの「共時性(シンクロニシティ)」という言葉で説明されることがあります。原因と結果のつながりが見つからないのに、意味を感じる一致を指す言葉です。意識がつながるから一致が起きる、という意味ではありません。
統計学の側からは、偶然の一致が思うよりずっと起きやすいことが指摘されています。当たった日は覚えていて、思い出したのに連絡が来なかった日は忘れること。似ている出来事まで一致に数えること。出来事の数が多ければ、めったにないことも、どこかで必ず起きること。この三つだけでも、驚く一致はかなり説明できます。
元恋人や、疎遠だった人からの連絡
元恋人からの連絡を「魂の再会」「カルマの解消」と説明する解説がありますが、確かめられた話ではありません。どう応じるかは、相手の様子と、自分がどうしたいかで決めてよいものです。
返事を急がなくてもかまいません。相手の用件を先に聞き、会うかどうかは後から決める、という順番にすると落ち着いて考えられます。やりとりを再開したくないなら、返さない選択もあります。
相手が親しい知人のときほど「当たった」と感じやすいのは、先の実験の数字にも表れています。知人からの電話では正答が53%、ほとんど知らない人からは25%でした。連絡をくれそうな相手は、もともと数が限られているということでもあります。思い浮かべる顔が少なければ、当たる見込みはそれだけ上がります。
久しぶりの連絡が、もうけ話や高額な契約の誘い、宗教や団体への勧誘だった場合は、その場で決めないでください。いったん持ち帰り、家族や消費生活センターに相談してから決めるのが安全です。
気になるときの確かめ方
- 誰かを思い出した日を、その日のうちに書き留める(連絡が来なかった日も残す)
- 連絡が来たら、相手に「どうして急に連絡をくれたのか」を聞いてみる
- 自分が思い出したきっかけも書く(写真が出てきた、通知が来た、季節の行事があった)
- 1か月後に読み返し、思い出した日の数と、連絡が来た日の数を数える
数えてみると、思い出したのに何も起きなかった日のほうが、ずっと多いと分かります。それでも、連絡が来た日のうれしさは変わりません。偶然かどうかを決めることより、来た連絡にどう応じるかのほうが、あとに残ります。
よくある質問
Q. 考えていた人から連絡が来るのは、スピリチュアルなサインですか?
A. そう説明する解説はありますが、確かめられていません。電話の相手を当てる2003年の実験では偶然より高い正答が報告されましたが、別のチームが2009年に行った追試では、偶然との差は出ませんでした。
Q. 急に連絡が来るのには、どんな現実のきっかけがありますか?
A. 昔の投稿を見せる機能や誕生日の通知、暑中見舞いや年賀状の準備、引っ越しや結婚、同窓会の案内、連絡先の整理などです。相手に理由を聞いてみると、はっきりすることが多いものです。
Q. 「量子力学で人のつながりが説明できる」というのは本当ですか?
A. 物理学の内容とは関係のない説明です。物理学の用語を借りて不思議な現象を説明しようとするやり方は、疑似科学として批判されています。
Q. 元恋人から急に連絡が来たのは、復縁のサインですか?
A. 「魂の再会」「カルマの解消」といった説明は確かめられていません。用件を先に聞き、会うかどうかは後から決めてかまいません。返さない選択もあります。
Q. 偶然の一致が多いように感じるのは、なぜですか?
A. 連絡が来た日は覚えていて、来なかった日は忘れるためです。似た出来事まで一致に数えることや、出来事の数そのものが多いことも重なります。
Q. 久しぶりの連絡が、もうけ話や勧誘だったときは?
A. その場で決めないでください。いったん持ち帰り、家族や消費生活センターに相談してから決めるのが安全です。
Q. 夢に出てきた翌日に連絡が来たのは、特別なことですか?
A. 気になっている人は夢に出やすく、連絡もしやすい相手です。夢に出たのに連絡が来なかった日を一緒に数えると、見え方が変わります。


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