エンジェルタロットとは|78枚のタロットと44枚のオラクルカードの違い、作者のその後、偽造品と占いのトラブル

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占い・カード・数秘

天使の絵が描かれた、やさしい雰囲気のタロットカード。「エンジェルタロット」は、タロットを初めて手にする人にも人気のあるカードです。けれども、同じ名前で枚数の違うカードが売られていて、どれを選べばいいのか迷うことがあります。

ここでは、「エンジェルタロット」と呼ばれるデッキを出版社の情報と国立国会図書館で確かめ、タロットとオラクルカードの違い、作者のその後の経緯、買うときに気をつけたいことをまとめます。占いサロンや占いサイトでのトラブルと相談先も書きます。

タロットは78枚

エンジェルタロットとは|78枚のタロットと44枚のオラクルカードの違い、作者のその後、偽造品と占いのトラブルのイメージ

辞典によると、タロットは22枚の「大アルカナ」と呼ばれる絵札と、56枚の「小アルカナ」からなる一組78枚のカードです。小アルカナは4つの組(スート)に分かれ、それぞれエースから10までの数札と、4枚の人物札があります。タロットは15世紀の北イタリアで遊びの札として始まり、占いに使われるようになったのは18世紀からとされます。

「エンジェルタロット」と呼ばれる2つのデッキ

  • バーチューとバレンタインの版
    アメリカの出版社ヘイハウスが2012年に出した78枚のデッキ。ドリーン・バーチューとラドリー・バレンタインの共著で出たが、2018年からはバレンタイン単独の名前で出し直されている。解説書の日本語版『エンジェルタロットマスターブック』(2014年、417ページ)がある
  • ジェーン・ウォレスの版
    イギリスの出版社から2017年に出た78枚のデッキ。日本語版『エンジェルタロット』はガイアブックスから2018年に出て、2022年に新しい版になった。64ページの解説書がつく

どちらも、大アルカナ22枚と小アルカナ56枚がそろった、ふつうのタロットと同じ構成です。もとの記事は「エンジェルタロット44枚」と書いていましたが、44枚の「エンジェルタロット」がどこの商品なのかは確かめられませんでした。

44枚の天使のカードはオラクルカード

天使の絵のカードで44枚のものには、たとえばバーチューの『エンジェルセラピー・オラクルカード』(ヘイハウス、2008年)があります。出版社はこれを「オラクルカード」と呼んでいて、タロットとは別のものとして出しています。

タロットは78枚で構成が決まっていますが、オラクルカードは枚数も札の内容もデッキごとに違い、意味は付属の解説書によります。44枚のデッキに、タロットの本や78枚を前提にした並べ方はそのまま使えません。買う前に、それがタロットなのかオラクルカードなのか、何枚なのかを確かめてください。

「怖いカードがない」は本当か

エンジェルタロットには「死神」のような怖いカードがない、という説明を見かけます。けれども、ジェーン・ウォレスの版の大アルカナには、「13 死:変容の天使」「15 悪魔:自由の天使」「16 塔:啓発の天使」があります。札の位置はタロットのまま、絵と名前を天使のイメージで描き直しているということです。

バーチューとバレンタインの版は、出版社が「やさしく安全な最初のタロット」とうたっていますが、この版で「死」や「塔」の札をどう言い換えているかは確かめられませんでした。

「エンジェルカード」という名前の元祖

「エンジェルカード」という名前のもとになったとされるのは、スコットランドのフィンドホーン財団で暮らしたキャシー・タイラーとジョイ・ドレイクが作ったカードです。もとのデッキは72枚で、「エンジェルカード」はその発行元の登録商標になっています。今では、天使を描いたさまざまなカードがこの呼び名で売られています。

作者のその後

エンジェルタロットやエンジェルナンバーを広めたドリーン・バーチューは、2017年にキリスト教に改宗し、タロットなどの占いを公に否定しました。同じ時期に、デッキから自分の名前を外すよう出版社に頼んだと語っています。出版社はその後、共著のデッキや解説書をバレンタイン単独の名前で出し直しました。

バーチューは2023年に、数秘術を教えたことを悔い改めると語っています。2026年の文章では、自分の昔のカードの偽造品が許可なく刷られてネットで売られていて、QRコードが付いているものは違法なコピーだ、と書いています。これは本人の説明で、出版社の公式な発表は見つかりませんでした。

買うときに確かめたいこと

  • 出版社の名前(ヘイハウス、ガイアブックスなど)と、作者の名前
  • カードの枚数(78枚のタロットか、44枚などのオラクルカードか)
  • 解説書がついているか、何語か
  • 極端に安いものや、出版社の分からないものは、偽造品の可能性も考える
  • 中古は、カードが欠けていないかを確かめる

「44は天使のサイン」について

44枚という数を、エンジェルナンバーで「天使が強くサポートしているサイン」と結びつける説明があります。バーチューの本で確かめられているのは「444」の項目(何千もの天使があなたを囲んで支えている、という趣旨)で、44の項目の中身は確かめられませんでした。そのバーチュー自身が、のちに数秘術を教えたことを悔いています。

占いサロンや占いサイトで

エンジェルカードを使う占いサロンや占いサイトもあります。楽しむ範囲ならよいのですが、相談のトラブルも続いています。消費者庁の資料では、開運商法の相談は2017年度以降、毎年1,200〜1,500件ほど寄せられています。

  • 2021年度の相談の54.4%はインターネットなどでの占い・祈祷サービス、15.2%は訪問販売などそれ以外の占い・祈祷サービス
  • 相談した人の平均年齢は約60歳で、契約金額の中央値は約21万円
  • 知り合いの占い師に「先祖が供養されていない」と言われ、約30万円の印鑑を買った例
  • 占いサイトで「もう少しで当たる」と言われ、1回1,500円のメールを重ねて約400万円を払った例

「買わないと不幸になる」「契約すれば運が開ける」と不安をあおる勧誘には、その場で応じないでください。霊感などを使った勧誘で結んだ契約は、2023年に改正された消費者契約法で取り消せる場合があります。消費者ホットライン188、法テラスの霊感商法等対応ダイヤル(0120-005931)に相談できます。

エンジェルタロットとのつきあい方

天使の絵のカードを眺めて、自分の気持ちを整理するきっかけにする人は多いでしょう。その使い方なら、78枚のタロットでも44枚のオラクルカードでもかまいません。大切なのは、どのカードを買うのかを確かめることと、カードの結果やカードを使う人の言葉で、大きなお金の判断をしないことです。

よくある質問

Q. エンジェルタロットは何枚ですか?

A. 出版社で確かめられた2種類(バーチューとバレンタインの版、ジェーン・ウォレスの版)は、どちらも78枚です。44枚のものは確かめられませんでした。

Q. タロットとオラクルカードの違いは何ですか?

A. タロットは大アルカナ22枚と小アルカナ56枚の78枚で構成が決まっています。オラクルカードは枚数も内容もデッキごとに違います。

Q. エンジェルタロットには怖いカードがないのですか?

A. ジェーン・ウォレスの版には「死:変容の天使」「悪魔:自由の天使」「塔:啓発の天使」があります。札の位置はタロットのままです。

Q. ドリーン・バーチューの名前がないのはなぜですか?

A. バーチューは2017年に改宗して占いを否定し、名前を外すよう出版社に頼んだと語っています。今はバレンタイン単独の名前で出ています。

Q. 安いエンジェルカードは大丈夫ですか?

A. バーチューは、許可なく刷られた偽造品がネットで売られていると書いています。出版社と作者の名前を確かめてください。

Q. 占いサロンで高額な商品を勧められました。

A. その場で契約せず、消費者ホットライン188に相談してください。霊感などを使った勧誘の契約は、取り消せる場合があります。

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