彩雲のスピリチュアルな意味|見るとよいことがあるという言い伝えの中身、年号が変わった慶雲と景雲、環水平アークとの見分け方、目の守り方

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サイン・前兆

空を見上げたら、太陽の近くの雲の縁が、ピンクや緑の虹色に輝いていた。彩雲(さいうん)は、見ると幸運が訪れる、よいことの前ぶれだ、と言われることがあります。その一方で、珍しい雲を見ると地震の前ぶれではないかと心配する声もあります。

ここでは、まず気象庁の説明で彩雲がどうしてできるのかを確かめ、見間違えやすいほかの虹色の現象との見分け方と、見るときの目の守り方を紹介します。そのうえで、彩雲がよいしるしとされた歴史の中身を、奈良時代の記録『続日本紀』と辞典で確かめます。

彩雲は、雲の粒が光を回り込ませてできる

彩雲のスピリチュアルな意味|見るとよいことがあるという言い伝えの中身、年号が変わった慶雲と景雲、環水平アークとの見分け方、目の守り方のイメージ

気象庁によると、彩雲は、空の比較的薄い雲が、その縁に沿うように赤・黄・緑などの色に分かれて見える現象です。太陽の光が雲の粒の後ろへ回り込んで進む「回折」によって起こります。赤い光は青い光より大きな角度で回り込むので、色が分かれて見えます。雲の縁では粒が最も小さく、中心に向かって大きくなるため、縁から中心に向かって色が変わっていきます。

辞典によると、彩雲は主に高積雲(ひつじ雲)や巻積雲(うろこ雲)で見られ、消えかけている雲でよく見えます。蒸発していく雲の粒は小さくなるだけでなく大きさがそろう傾向があり、そのため色が鮮やかになります。雲の研究者の荒木健太郎さんは、彩雲は太陽のすぐ近く、角度にして10度以内に雲があるときに出やすく、季節や場所を問わずよく出会える現象だ、と説明しています。もとの記事は、大切な決断や転機の直前に目撃されやすい、と書いていましたが、そうした根拠は見つかりませんでした。

虹やサンキャッチャーの虹色は、光が水滴やガラスで曲がる「屈折」でできます。彩雲は「回折」で、でき方の仕組みが違います。朝の日差しの中で、紅茶やコーヒーの湯気を見ると、彩雲と同じ仕組みの色づきが見られることがある、とも荒木さんは紹介しています。

見間違えやすい空の虹色

空に現れる虹色は、彩雲のほかにもいくつかあります。見分けるいちばんの手がかりは、太陽からどれだけ離れているかです。

  • 彩雲
    太陽のすぐそばの雲の縁が色づく。水の粒による回折。
  • 光環(光冠)
    太陽や月の周りの小さな色の輪で、半径は数度。内側が青紫、外側が赤。彩雲と同じ回折の仲間です。
  • 暈(かさ)
    太陽の周り、半径22度ほどの大きな輪。氷の粒による屈折で、薄いベールのような雲(巻層雲)に出ます。東京では年に50回以上見えていた、という長年の観測もあります。
  • 幻日
    太陽と同じ高さで、太陽から22度ほど離れた所に出る光の玉。氷の粒による屈折です。
  • 環水平アーク
    太陽の高さが58度以上のときに、太陽から46度ほど下の低い空に、ほぼ水平に出る虹色の帯。氷の粒による屈折で、春から秋の昼ごろに見られます。
  • 環天頂アーク
    太陽が低い(32度以下)ときに、頭の真上あたりに逆さの虹のように出る弧。氷の粒による屈折です。

いちばん間違われやすいのは環水平アークです。2018年5月に青森で環水平アークが見られたとき、テレビの一部の放送局が「彩雲」と報じ、青森地方気象台が、それは誤りで、彩雲は雲の水滴でできる別の現象だと指摘しました。もとの記事は、暈を表す「日暈」を「にちりん」と読ませていましたが、辞典の読みは「ひがさ」「にちうん」で、「にちりん」は太陽を指す「日輪」です。

彩雲を見るときは、太陽を隠す

彩雲は太陽のすぐそばに出るので、探すときに太陽を見てしまいがちです。国立天文台は、太陽は満月のおよそ50万倍の明るさで、肉眼で見ると数秒でも目を傷める危険があり、ふつうのサングラスでは防げない、としています。

彩雲を探すときは、建物や電柱で太陽をぎりぎり隠せる位置に立って見てください。双眼鏡やカメラのファインダーで太陽の方を見ると、一瞬でも目を傷めるおそれがあります。写真を撮るときも、太陽を画面の外か建物の陰に置いてください。

彩雲がよいしるしとされた歴史

辞典はそろって、彩雲は昔からめでたいことの前ぶれとされ、景雲・慶雲・瑞雲などの名がつけられ、年号まで変えられた、と説明しています。中国の『史記』は、煙のようで煙でなく、雲のようで雲でないものを「卿雲(けいうん)」と呼び、めでたい気だと書いています。王の徳によって世の中が治まっていることを天が知らせる「祥瑞」の一つでした。

日本では、『続日本紀』によると、704年に都の宮殿の西の建物の上に慶雲が現れたとして、年号を「慶雲」に改め、罪人を許す大赦を行いました。初めて慶雲を見た役人は、位を3段階上げられ、絹などを与えられています。その後も、713年には近江国(今の滋賀県)から慶雲の報告があり、白い雉の献上と合わせて、その国などに限った恩赦が出されました。715年の元日には東の空に慶雲が見え、数日後の詔は、皇太子が元日に初めて朝廷で拝礼した日に瑞雲がはっきり現れた、として大赦を行っています。辞典が「瑞雲」という言葉の最も古い例として挙げているのは、この詔です。

767年には、6月に七色の交じる不思議な雲が立ち、伊勢の外宮の上にも五色の雲が現れたなどの報告が相次ぎ、それが大きなめでたいしるしの「景雲」に当たるとして、年号を「神護景雲」に改めました。このときの詔は、これは自分の徳によるものではなく、大神宮の上に現れたので大神の慈しみであり、先の天皇たちの霊の助けによるものだ、と述べています。当時の「七色の雲」が今でいう彩雲と同じ現象だったのかは、記録からは分かりません。

もとの記事は、瑞雲や五色の雲が天皇の即位や戦の勝利を告げる雲として、『日本書紀』や『万葉集』に記録されてきた、と書いていました。けれども、確かめられたのは、国の治世へのめでたいしるしとして年号を変えたり、大赦を行ったりした記録で、即位や戦の勝利を告げた記録は見つかりませんでした。『日本書紀』で見つかった643年の「五色の大雲」は、雷や大風、ひょうなど異変の続く年の記事の中にあり、よいしるしとして書かれたとは読めません。めでたい雲を理由に年号を変えることは平安時代の前期までで、その後は天災などを理由に年号を変えるようになりました。

仏さまが乗る紫の雲と、山の「御来迎」

仏教では、念仏する人が亡くなるとき、仏が紫の雲(紫雲)に乗って迎えに来る、と考えられてきました。辞典によると、西の空に紫雲がたなびき、よい香りが満ち、音楽が聞こえる、という形で来迎が描かれるようになりました。高い山で、日の出や日の入りに自分の影が霧に映り、その周りに虹色の輪ができる現象を、仏が光を背負って迎えに来る姿に見立てて「御来迎」と呼びます。この虹色の輪も、彩雲と同じ回折の仲間です。

「彩雲を見る」ジンクスと、夢の五色の雲

彩雲を見ると幸運が訪れる、という今のジンクスが、いつ、どこから言われ始めたのかは確かめられませんでした。昔の記録で見つかるのは、国の祥瑞としての雲と、仏の来迎の雲で、見た人一人ひとりの幸運を告げるものではありません。もとの記事は、彩雲を見て涙が出たと多くの人が語る、という体験談を紹介していましたが、誰の話かが分からないので、ここでは紹介しません。

逆に、彩雲や変わった形の雲は地震の前ぶれだ、という話もあります。気象庁は、地震雲がないと言い切ることは難しいとしたうえで、雲は大気の現象、地震は大地の現象でまったく別のものであり、地震の影響で雲ができる仕組みは科学的に説明できていない、としています。震度1以上の地震は年に2,000回ほど、1日に平均5回ほど起きているので、変わった雲のあとに地震があっても、関係のない二つの出来事が結びつけられているだけだ、と説明しています。

夢に色とりどりの雲が出てきたときは、中国の古い夢占いの書『周公解夢』に、五色の雲の夢は大いに吉、雲が赤や白なら吉、青や黒なら凶、とあります(訳は試訳です)。明治時代の日本の夢判断の本にも、五色の雲を見れば大吉、四方に彩雲が立つ夢は商売に利がある、といった、同じ形の項目があります。ただ、夢の意味を確かめた研究はありません。

彩雲の見つけ方や、空の色のでき方をもっと知りたいときは、雲の研究者の荒木健太郎さんが書いた『読み終えた瞬間、空が美しく見える気象のはなし』(ダイヤモンド社、2023年)があります。

よくある質問

Q. 彩雲は珍しい雲ですか?

A. 雲の研究者は、季節や場所を問わずよく出会える現象だとしています。太陽のすぐ近くの薄い雲を、太陽を建物で隠してよく見ると見つかることがあります。

Q. 環水平アークと彩雲はどう違いますか?

A. 彩雲は太陽のすぐそばの雲が水の粒の回折で色づくもの、環水平アークは太陽が高いときに太陽のずっと下の空に出る、氷の粒の屈折による虹色の帯です。

Q. 彩雲を見るとよいことがありますか?

A. 昔はめでたいしるしとされ、704年と767年には年号が変わりました。ただ、それは国の治世へのしるしで、見た人の幸運を告げるものとしての記録は見つかりませんでした。

Q. 彩雲は地震の前ぶれですか?

A. 気象庁は、雲と地震はまったく別の現象で、地震の影響で雲ができる仕組みは説明できていない、としています。

Q. サングラスをかければ太陽の近くを見ても大丈夫ですか?

A. 国立天文台は、ふつうのサングラスでは太陽の強い光を防げないとしています。建物などで太陽を隠して見てください。

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