琥珀(こはく)は、はちみつ色やべっこう色のやわらかな光が魅力の宝石で、英語ではアンバーと呼ばれます。スピリチュアルの解説では、身に着ける人を温かく包む、長寿や繁栄を招く、といった意味で紹介されることの多い石です。
ただ、琥珀はほかの宝石と違って、鉱物ではありません。ここでは、琥珀の言い伝えと石言葉を確かめたうえで、樹脂の化石という琥珀の素顔、古代と日本での使われ方、本物の見分け方、熱や溶剤に弱い琥珀の手入れを順にまとめます。
琥珀のスピリチュアルな意味と石言葉

日本の解説では、琥珀の石言葉として「抱擁」「長寿」「繁栄」がよく挙げられます。どれも、何千万年という長い時間をかけて生まれた石であることや、温かみのある色合いから連想された言葉と考えると分かりやすいでしょう。
琥珀にまつわる言い伝えは、古代までさかのぼります。米国宝石学会によると、古代ギリシャの人々は、琥珀を「太陽が作ったもの」と呼んでいました。古代ローマのプリニウスは『博物誌』に、琥珀を赤ん坊に護符として付けると益がある、と書いています。琥珀の護符は、紀元前2千年紀の半ばには作られていました。
言い伝えの意味は、身に着けて何かが変わると確かめられたものではありません。長い時間をかけて生まれた石を身近に置き、気持ちを落ち着ける目印として楽しむのが、無理のない付き合い方です。
琥珀は、木の樹脂の化石
琥珀は、大昔の木から出た樹脂が、長い時間をかけて地中で固まった化石です。鉱物ではないので、とても軽く、比重は1.08ほど。硬さはモース硬度で2〜2.5と、人の爪(2.5)でも傷が付くことがあるほどやわらかい石です。いちばん古い琥珀は、約3億2000万年前のものとされます。
産地によって、生まれた年代はずいぶん違います。宝飾品でよく見かけるバルト海沿岸の琥珀は、約4000万年前のものです。日本の代表的な産地である岩手県久慈市の琥珀は、さらに古い約9000万年前(白亜紀の後期)のもので、地層にはさまる火山灰から年代が確かめられています。久慈市には、国内で唯一という琥珀専門の博物館もあります。
日本でも、古くから身に着けられてきた
日本でも、琥珀は古くから飾りに使われてきました。北海道千歳市の柏台1遺跡からは、約2万年前の琥珀の小さな玉が見つかっています。奈良盆地のまわりの古墳から出た琥珀の勾玉や小玉は、その多くが久慈の琥珀だと、久慈琥珀博物館は説明しています。
遠く離れた奈良の古墳に、岩手の琥珀が運ばれていたことは、琥珀がそれだけ大切にされた品だったことを物語っています。久慈の琥珀博物館では、こうした琥珀の歴史や、久慈で掘り出された琥珀を見ることができます。
古代ローマの護符も、日本の古墳の勾玉も、琥珀の温かい色と軽さが、肌に着ける飾りに向いていたことを示しています。いま琥珀のアクセサリーを選ぶときも、その軽さは大きな魅力です。長いネックレスでも、首や肩の負担になりにくい石です。
本物の琥珀の見分け方
琥珀には、よく似た物がいくつもあります。まず、知っておきたいのは次の三つです。
- コーパル
琥珀になる前の、若い樹脂です。米国宝石学会は、琥珀は100万年以上たったもの、コーパルは多くが10万年ほどのもの、と説明しています。 - 再生琥珀
小さな琥珀のかけらを、熱と圧力で固め直したものです。 - プラスチックなどの模造品
見た目をまねた樹脂です。中に虫が入った「虫入り琥珀」も、いまの虫を入れた模造品がとても多いとされます。
家でできる見分け方としては、濃い塩水に入れる方法が知られています。比重が1.13ほどになるまで食塩を溶かした水では、琥珀は浮き、プラスチックの多くは沈みます。また、琥珀は紫外線を当てると青白から緑に光りますが、コーパルも光るので、これだけでは決め手になりません。高価な品なら、宝石の鑑別機関の報告書で、天然の琥珀かどうかを確かめるのが確実です。
金具の付いたネックレスは、塩水に入れると金具を傷めることがあるので、この方法は金具の付いていない粒で試してください。
琥珀のアクセサリーを選ぶときに見るところ
- 天然か、再生琥珀か
販売ページに、天然の琥珀か、かけらを固め直した再生琥珀かが書かれているかを見ます。どちらも琥珀ですが、値段と見た目が違います。 - 産地
バルト海沿岸、久慈など、産地が書かれているか。産地によって色合いや、生まれた年代が違います。 - 色の呼び方
はちみつ色、コニャック色、チェリー色など、色の呼び方は店によって違います。写真と説明の両方で確かめます。 - 金具
チェーンや留め具の素材(シルバー925など)と長さを見ます。肌が金属に弱い人は、金具の素材をとくに確かめてください。 - 保証書や鑑別書
高価な品なら、天然の琥珀であることを示す保証書や、宝石の鑑別機関の報告書が付いているかを確かめます。
熱と溶剤に弱い——琥珀の手入れ
琥珀は、樹脂の化石なので、熱や薬品に弱い石です。米国宝石学会と国際宝石協会の説明をもとに、扱い方をまとめます。
- 熱から離す。高い温度で溶けたり、燃えたりすることがある
- 溶剤やアルコールに触れさせない。表面が溶けることがある
- 香水やヘアスプレーは、身に着ける前に済ませる
- 汚れたら、温かい石けん水でさっと洗い、やわらかい布で水気をふき取る
- やわらかい石なので、ほかの宝石と一緒にしまわず、布の袋などに分けて入れる
硬さ2〜2.5の琥珀は、水晶(硬さ7)やほかの多くの宝石より、ずっと傷が付きやすい石です。水晶のさざれ石の上に置くのも避け、やわらかい布の上に置いてください。日光や月光に当てて浄化する方法を紹介する解説もありますが、熱を避けたい琥珀では、窓辺に長く置きっぱなしにしないほうが安心です。
例として、琥珀のネックレスの販売ページです。以前の紹介と形や色の表示が変わっているので、形・色・天然の琥珀か再生琥珀かは、販売ページで確かめてください。
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よくある質問
Q. 琥珀のスピリチュアルな意味は何ですか?
A. 日本の解説では、石言葉として「抱擁」「長寿」「繁栄」がよく挙げられます。古代ギリシャでは「太陽が作ったもの」と呼ばれ、古代ローマでは赤ん坊の護符にされました。
Q. 琥珀は何年くらい前のものですか?
A. 産地によって違います。バルト海沿岸の琥珀は約4000万年前、岩手県久慈市の琥珀は約9000万年前のものです。いちばん古い琥珀は約3億2000万年前とされます。どの琥珀も、とても長い時間をかけて生まれた石です。
Q. 本物の琥珀かどうか、どう見分けますか?
A. 濃い塩水で琥珀は浮き、プラスチックの多くは沈みます。ただ、紫外線で光るのはコーパルも同じで、家での方法には限りがあります。高価な品は、鑑別機関の報告書で確かめてください。
Q. 虫入りの琥珀は、本物ですか?
A. 本物の虫入り琥珀もありますが、米国宝石学会は、いまの虫を入れた模造品がとても多いとしています。高価な品は、鑑別機関の報告書で天然の琥珀かを確かめてください。
Q. 琥珀のネックレスを着けたまま、お風呂に入っても大丈夫ですか?
A. 琥珀は熱や薬品に弱い石なので、お風呂やサウナでは外しておくと安心です。汚れたときは、温かい石けん水でさっと洗い、水気をふき取る程度にしてください。



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