ふと見ると、部屋の時計が止まっていた。大切な人を思い出していた日だったり、電池を換えたばかりだったりすると、何かの知らせではと気になるものです。スピリチュアルの解説では、時計が止まることを「区切り」や「立ち止まる合図」として紹介することがあります。
ここでは、意味を考える前に確かめたい、時計が止まる実際の理由をまとめます。そのうえで、「人が亡くなると時計が止まる」という言い伝えの出どころと、時計が止まったときの受け止め方を順に見ていきます。
まず確かめたい、時計が止まる理由

時計が止まる理由は、時計の種類によって違います。メーカーの説明をもとにまとめます。
- 電池式(クオーツ)の時計
電池の寿命は機種ごとに決まっています。買ったときに入っている電池は、動きを確かめるためのモニター用の電池なので、表示の寿命より早く切れることがあります。電池が減ってくると、秒針が2秒ずつ進むようになる時計もあり、これは電池交換の合図です(シチズン)。 - ソーラー時計
光が足りなくなると、秒針が2秒ずつ、次に5秒ずつ動くようになり、やがて止まる機種があります(セイコー)。明るい場所に置くと動き出します。 - 電波時計
電池を換えたあとに、リセットボタンを押す必要がある機種があります。電波を受けている間はランプがついていて、針が動かないことがあるので、受信が終わるまで待ちます(セイコークロック)。 - 掛け時計
単3電池で動く掛け時計では、電池がおよそ1年で切れる機種もあります(セイコークロックの衛星電波掛時計の例)。 - ぜんまい式(機械式)の時計
ぜんまいをいっぱいに巻くと、40時間ほど動くものが多く、ほどけきると止まります。中の油が古くなるので、2〜3年ごとの点検が勧められています(シチズン)。
「電池を換えたばかりなのに止まった」ときは、買い置きの電池が古くなっていないか(電池には使用推奨期限があります)、電波時計ならリセットを押したか、電池の向きや電池の端子の汚れはないかを確かめてください。たいていは、ここで原因が見つかります。
電波時計の時刻がずれるときも、原因は似ています。セイコークロックは、ずれの原因として、古い電池、電波の受信の失敗、電池を換えたあとのリセットのし忘れを挙げています。受信しにくいときの置き場所の目安は、取扱説明書に書かれていることが多いので、あわせて確かめてください。
時計が止まったら、まず時計の側の理由を一つずつ確かめる。理由が見つかれば、それで安心できますし、見つからなければ、時計店に相談すればよいのです。意味を考えるのは、そのあとでも遅くありません。
止まった時計で、確かめておきたいこと
時計が止まっているのに気づいたら、次の順に確かめると、原因がはっきりします。
- 1. 秒針の動き
秒針が2秒ずつ、5秒ずつ動いていないか。動いていれば、電池や光が足りないしるしです。 - 2. 時計の種類
電池式か、ソーラーか、電波時計か、ぜんまい式か。裏ぶたや取扱説明書で確かめます。 - 3. 最後に電池を換えた日
覚えていなければ、電池を換えるときに、日付を書いた紙を電池のふたの内側に貼っておくと、次から迷いません。 - 4. 止まっていた時刻
止まっていた時刻を見れば、いつごろ止まったのかが分かります。電池切れなら、止まる前の数日は秒針の動きが変わっていたはずです。
「人が亡くなると時計が止まる」という言い伝え
時計が止まることと、人の死を結び付ける話でよく知られているのが、「大きな古時計」の歌です。原曲は、アメリカのヘンリー・クレイ・ワークが1876年に作った「マイ・グランドファーザーズ・クロック」で、おじいさんと一緒に時を刻んできた大きな時計が、おじいさんが亡くなったときに止まった、という物語の歌です。英語の大きな箱型の振り子時計を「グランドファーザー・クロック」と呼ぶのは、この歌から来たとされています。
日本では、保富康午さんの訳詞で、1962年に日本放送協会の番組「みんなのうた」で放送され、立川清登さんが歌いました。2002年には平井堅さんのカバーも広く聞かれ、時計と人の一生を重ねる物語は、日本でもなじみ深いものになりました。
19世紀のイギリスのヴィクトリア朝の喪の習わしとして、家族が亡くなった時刻に家の時計を止めた、と紹介されることもあります。時計が「ひとりでに」止まるのではなく、残された人が、その時刻を心に留めるために止めた、という習わしです。
スピリチュアルな受け止め方
スピリチュアルの解説では、時計が止まることを、いまの流れをいったん止めて見直す合図、区切りの合図として読むことが多いようです。理由がはっきりしている止まり方でも、止まった時計を見て立ち止まった、その気持ちを生かすことはできます。
- 止まっていた時刻と、そのとき考えていたことを書き留める
- 電池を換えるついでに、予定やスケジュールを見直す
- 大切な人の形見の時計なら、修理に出して、もう一度動かす
亡くなった人を思い出していたときに時計が止まったなら、その人を思う時間をとるきっかけにしてもよいでしょう。「大きな古時計」の歌のように、時計と人の思い出を重ねる気持ちは、昔から多くの人が持ってきたものです。止まった時計の電池を換えて、もう一度動き出すのを見届けることも、気持ちの区切りになります。
大切な時計が止まったら
形見の時計や、長く使ってきた時計が止まったときは、無理に自分で開けず、時計店に相談するのが安心です。ぜんまい式の時計は、油の劣化で止まることもあるので、点検(オーバーホール)で動き出すことがあります。電池式でも、電池を換えても動かないときは、中の部品の故障が考えられます。
何度も止まる時計は、電池の寿命や部品の傷みのサインです。時計が止まることを、怖い前ぶれとしてではなく、時計そのものの手入れの合図として受け止めてください。電池を換えた日を記録しておけば、次に止まったとき、電池の寿命なのか、ほかの原因なのかをすぐに見分けられます。長く使わない時計は、電池を抜いてしまっておくと、次に使うときまで安心です。
よくある質問
Q. 時計が止まるのは、不吉なことですか?
A. 決まった意味はありません。電池の寿命、電波時計のリセット忘れ、ぜんまいがほどけたことなど、たいていは理由があります。まず時計の種類に合わせて原因を確かめてください。
Q. 電池を換えたばかりなのに、時計が止まりました。
A. 買い置きの電池が古くなっていないか、電波時計ならリセットボタンを押したか、電池の向きや端子の汚れを確かめてください。買ったときの電池は、モニター用で早く切れることがあります。
Q. 人が亡くなると時計が止まる、という話は本当ですか?
A. 時計がひとりでに止まると確かめられた話ではありません。1876年の歌「大きな古時計」の物語や、亡くなった時刻に時計を止めたというヴィクトリア朝の習わしが、この話を広めたと考えられます。
Q. 秒針が2秒ずつ動いています。
A. 電池が減ってきたことを知らせる機能のある時計です。早めに電池を交換してください。
Q. ぜんまい式の時計は、どのくらいで止まりますか?
A. 機種によりますが、いっぱいに巻くと40時間ほど動くものが多く、ほどけきると止まります。毎日決まった時間に巻くと、止まりにくくなります。中の油が古くなるので、2〜3年ごとの点検が勧められています。
Q. 電波時計の時刻がずれます。
A. 古い電池、電波の受信の失敗、電池交換のあとのリセットのし忘れが主な原因です。電池を新しくしてリセットを押し、取扱説明書にある受信しやすい置き場所を確かめてください。それでも直らなければ、時計店やメーカーに相談します。


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