ハウライトは、白い地に灰色や黒の細い筋が網目のように入った石です。パワーストーンの解説では「心を静める白い石」「眠りを助ける石」として紹介されることがあります。
一方で、この石は青く染められて、トルコ石のような見た目で売られていることでも知られています。ここでは、ハウライトが鉱物として何なのか、なぜ染められるのか、買うときと扱うときに何を見ればよいのかをまとめます。
ハウライトは、白いホウ酸塩の鉱物

ハウライトは、カルシウムとホウ素などを含むホウ酸塩の鉱物です。ホウ酸塩が集まった鉱床に産し、カナダのノバスコシア州や、アメリカのカリフォルニア州などで採れます。
硬さはモース硬度で3.5ほど。銅貨と同じくらいで、水晶(7)よりずっと軟らかい石です。密度は2.5から2.6ほどで、手に持つと見た目より軽く感じます。白い地に入る網目のような筋が、この石の見た目の特徴です。
鉱物として記載されたのは1868年です。「古くから心を静める石として大切にされてきた」という説明を見かけますが、鉱物として名前が付いたのは150年あまり前のことで、古い言い伝えがあるわけではありません。
名前は、カナダの化学者から
ハウライトという名前は、ヘンリー・ハウ(1828〜1879年)にちなんでいます。カナダのノバスコシア州ウィンザーにあったキングズ・カレッジで、化学や地質を教えていた人です。この石が最初に見つかったのも、ノバスコシア州でした。
誰が名付けたのかについては、資料によって書かれていることが違うので、ここでは触れません。確かなのは、ハウの名前が石に残っていることです。
なぜ、トルコ石に染められるのか
ハウライトは多孔質で、色素を染み込ませやすい石です。アメリカ宝石学会と、日本の宝石鑑別団体協議会は、ハウライトを染色される素材として挙げています。
白い地に網目の筋が入っている見た目は、トルコ石の模様によく似ています。そのため、青や緑に染めたハウライトは、トルコ石の模造品として使われてきました。アメリカ宝石学会も、トルコ石に似せた材料の一つに染色ハウライトを挙げています。
「安価な青いトルコ石の多くは染めたハウライト」と書かれていることがありますが、その割合を示す資料は見つかりませんでした。模造品の候補の一つ、というのが確かめられる範囲です。
買うときに見ること
- 販売ページの名前が「ハウライト」か「トルコ石(ターコイズ)」か。青いのに「ハウライト」とあれば、染めたものです
- 「染色」「着色」の表示があるか
- 相場よりずっと安い「トルコ石」は、素材の表示を確かめる
- 白いハウライトがほしいなら、色の付いていない、白地に網目のものを選ぶ
染めたハウライトは、それ自体が悪いものではありません。色が気に入って、染めたものと分かって買うなら、何の問題もありません。困るのは、トルコ石だと思って高い値段で買ってしまうことです。名前と表示を見れば、たいてい避けられます。
手入れは、染めたものと白いもので分ける
- 染めたもの
アセトン、アルコール、除光液に触れると色が落ちることがあります。マニキュアを塗る日や、消毒用のアルコールを使ったあとは、外しておくと安心です。長く日光に当てると退色することもあります。 - 白いもの
染めていない白いハウライトが日光で変色するという資料は見つかりませんでした。ただし軟らかい石なので、ぶつけたりこすったりすると傷が付きます。 - 共通すること
ほかの石と分けて保管し、汚れたら柔らかい布でふきます。軟らかいので、研磨剤の入った布や、硬いブラシは使わないでください。
「水に浸けると白く曇る」という説明も見かけますが、確かめられる資料は見つかりませんでした。水に浸ける必要がそもそもない石なので、ふくだけの手入れで十分です。
ブレスレットとして使うときに
ブレスレットは、玉より先にひもが傷みます。ゴムのひもは使ううちに伸び、切れると玉が床に散らばります。ハウライトは軟らかいので、落ちた拍子に欠けることもあります。ひもがゆるんできたら、早めに通し直してください。
消費者庁は、3歳児の口の大きさは約4センチで、これより小さいものは口に入ると注意を呼びかけています。ブレスレットの玉はこれより小さいので、小さな子どもやペットのいる家では、手の届かない場所に保管してください。玉が散らばったときは、数を数えて全部拾っておくと安心です。
染めたハウライトかどうかを、除光液やアルコールを当てて確かめる方法を紹介しているページもありますが、色が落ちれば品物を傷めることになります。見分けは、買う前に表示で確かめるほうが確実です。
「心を静める」「眠りを助ける」という説明
ハウライトの意味として、心を落ち着かせる、怒りを鎮める、眠りを助ける、といった説明が並びます。けれども、人を対象にこうした効果を調べた研究は見つかりませんでした。
白い石を眺めると落ち着く、という感じ方は本物です。ただ、眠れない状態が続くときに、石の力を頼りにするのはすすめられません。眠れない日が続くときは、寝る前のスマートフォンを控えるなど生活を見直し、それでも続くなら医師に相談してください。
意味づけの多くは、白という色から連想されたものと考えられます。白い石には、ほかにも「浄化」「純粋さ」といった意味が当てられることがよくあります。色から気持ちを連想して楽しむのは自由ですが、それは石の性質ではなく、見る人の側の受け取り方だということを知っておくと、説明の確かさを見分けやすくなります。
よくある質問
Q. ハウライトはどんな石ですか?
A. カルシウムとホウ素などを含むホウ酸塩の鉱物で、白い地に網目のような筋が入ります。硬度は3.5ほどと軟らかく、カナダのノバスコシア州や米国カリフォルニア州などで採れます。
Q. 青いハウライトは天然の色ですか?
A. 染めたものです。ハウライトは多孔質で染まりやすく、青や緑に染めてトルコ石に似せたものが出回っています。
Q. トルコ石と見分けられますか?
A. 確実な見分けには鑑別が必要です。買うときは、販売ページの名前が「ハウライト」か「トルコ石」か、「染色」の表示があるかを確かめてください。
Q. ハウライトの名前の由来は?
A. カナダのキングズ・カレッジで化学や地質を教えていたヘンリー・ハウ(1828〜1879年)にちなんでいます。鉱物として記載されたのは1868年です。
Q. 染めたハウライトの手入れの注意は?
A. アセトン、アルコール、除光液に触れると色が落ちることがあり、長く日光に当てると退色することもあります。マニキュアやアルコール消毒のときは外してください。
Q. ハウライトで眠りがよくなりますか?
A. 人を対象にそうした効果を調べた研究は見つかりませんでした。眠れない日が続くときは、医師に相談してください。
Q. ハウライトは昔から使われてきた石ですか?
A. 鉱物として記載されたのは1868年です。古くから心を静める石として使われてきた、という言い伝えは確かめられませんでした。
Q. 白いハウライトは日光で変色しますか?
A. 染めていない白いハウライトが日光で変色するという資料は見つかりませんでした。退色の注意が当てはまるのは、染めたものです。
Q. ブレスレットを子どもの近くに置いても大丈夫ですか?
A. 玉は口に入る大きさです。3歳児の口の大きさは約4センチとされているので、手の届かない場所に保管してください。


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