「人のまわりに、ぼんやりした色が見えることがある」「あの人だけ光って見える」。こうした体験を、オーラが見えるしるしとして説明する解説は多くあります。自分がそうなのかもしれない、と気になっている人もいるはずです。
ここでは、見えるとされる人を調べた試験の結果、目の仕組みで説明がつく見え方、眼科で確かめたほうがよい症状、共感覚とのちがい、そして今のオーラの考え方がいつ生まれたのかを順にまとめます。
試験では、当てられていない

オーラが見えるという人を相手にした試験は、何度も行われています。1990年の試験では、暗くした部屋で、ついたての後ろに人がいるかどうかを当ててもらいましたが、成績は偶然と変わりませんでした。同じような試験は繰り返し行われ、成功した例は確かめられていません。
体のまわりのエネルギーを感じ取るという施術についても、1998年に医学雑誌で結果が出ています。施術者21人に、自分の手の近くに相手の手がどちらから差し出されているかを当ててもらう試験で、280回のうち正しく答えられたのは44%でした。でたらめに答えても50%になる試験なので、当てられていないという結果です。
こうした試験は、人のまわりに何もないと示すものではありません。ただ、見えるという訴えを、ついたて越しに当てる形で確かめようとすると、いまのところ当たらない、ということです。
目の仕組みで説明がつく見え方
人の輪郭に沿って色や光が見えること自体は、珍しいことではありません。目と脳の仕組みで説明できる見え方がいくつもあります。
- 残像
色のついたものをしばらく見つめたあとで視線を外すと、もとの色と反対の色(補色)の像が残ります。赤い服を着た人をじっと見て、白い壁に目を移すと、人の形に青緑の縁が見えます。 - 明暗の境目が強調される
明るさの違う面が隣り合うと、境目のあたりが実際より明るく、または暗く見える現象があります(マッハ効果)。白い壁の前に立つ人の輪郭が、淡く光って見えることの説明になります。 - 見つめ続けたときの変化
一点を見つめ続けると、まわりの見え方がぼやけたり、色がにじんだりします。オーラを見る練習として「相手の肩の上あたりをじっと見る」方法が紹介されますが、その見え方は、こうした変化と重なります。
どれも、見えたものが嘘だという話ではありません。実際に見えています。見えたものの原因を、目の仕組みに求めるか、人のまわりのエネルギーに求めるかという違いです。
続くときは、眼科で確かめる
見え方の変化には、目の病気が関わっていることがあります。スピリチュアルな意味を調べる前に、次のようなものに当てはまらないか確かめてください。
- 黒い点や糸が浮いて見える
飛蚊症です。白い壁や青空など、明るく均一なところで分かりやすくなります。大半は加齢による変化ですが、急に増えたときは受診してください。 - きらきらした光が広がり、10分ほどで消える
閃輝暗点(せんきあんてん)といいます。光が広がって約10分で回復し、そのあとに頭痛が来ることが多い症状です。 - 光が走るように見え、黒い点も増えた
日本眼科学会は、光視症に飛蚊症を伴う場合、網膜に穴があいたり、網膜がはがれたりしている可能性があるとして、早めの受診を呼びかけています。
見え方の変化が続く、急に増えた、片目だけに起きる、といったときは、まず眼科にかかってください。網膜剥離は、早く見つけるほど治療の見通しがよくなります。
共感覚とは、別のもの
文字に色を感じる、音に色を感じるといった現象を共感覚といいます。ある刺激が、別の感覚を一緒に引き起こす現象です。人に色を感じる例も報告されていて、2004年には、知人の名前や、感情を伴う言葉に色を感じる1人の例が報告されています。
2012年には、特別な力を名乗らない共感覚の4人と、オーラが見えるという施術者を比べた研究が出ています。その施術者には、顔に色を感じる共感覚など複数の共感覚が見つかりました。一方で、共感覚の人たちの体験と、オーラを読むという訴えのあいだには違いが多いことも報告されています。
研究者らは、共感覚は超感覚的な力ではなく、現実の主観的な見え方だとしています。共感覚があればオーラが見える、という話ではありません。
いまのオーラの考え方は、20世紀に整えられた
人のまわりを色の層として描き、色ごとに意味を当てる今のオーラの考え方は、20世紀の初めに西洋で書かれた神智学の本から広まりました。体の中心線に並ぶチャクラに色を当てる説明が見られるのは1927年の本で、虹の七色を順に並べる今の形は、そのあと20世紀の西洋で少しずつまとまりました。
聖人の絵の後光や、インドの古い思想と結び付けて説明されることがありますが、それらは別の文脈のものです。「第三の目は藍色」といった色の割り当ても、20世紀以降の西洋の読み方で、古い教えにさかのぼるものではありません。
「見える人の特徴」として挙げられること
解説でよく挙げられるのは、感受性が高い、直感が鋭い、自然や芸術に心を動かされやすい、一人の時間を好む、といった特徴です。どれも、それを確かめた調べものは見つかりませんでした。
読むと当てはまる気がするのは、多くの人に当てはまる書き方になっているためです。人混みで疲れる、静かな場所が落ち着く、初対面で相手の雰囲気を感じ取る——これらは、特別な感覚の持ち主でなくても心当たりのあることです。
当てはまったからといって、見えることの証しにはなりません。反対に、当てはまらないからといって、感受性が低いという話にもなりません。特徴の一覧は、自分を当てはめる枠としては、あまり役に立ちません。
気になったときの確かめ方
- 見えた日と場所、背景の明るさ、見る前に何を見ていたかを書き留める
- 白い壁の前と、模様のある壁の前で、見え方が変わるか確かめる
- 片目ずつ閉じて、両目で違いがあるか確かめる(片目だけなら目の側の原因を疑う)
- 続くなら眼科にかかる。黒い点が増えた、光が走るというときは早めに
書き留めてみると、明るく均一な背景のときに見えている、長く見つめたあとに見えている、といった傾向が見えてきます。それが分かっても、見えた体験そのものがなくなるわけではありません。確かめたうえで、どう受け止めるかは自分で決められます。
よくある質問
Q. オーラが見える人は、本当にいますか?
A. 見えるという人を相手にした試験では、ついたての後ろに人がいるかを当てる成績が偶然と変わらず、成功した例は確かめられていません。1998年に医学雑誌に載った試験でも、施術者21人の正答は280回のうち44%で、偶然の50%を下回りました。
Q. 人のまわりに色が見えるのは、どういうことですか?
A. 色のついたものを見つめたあとに残る補色の残像や、明暗の境目が強調されて見えるマッハ効果で説明がつくことがあります。実際に見えてはいますが、原因は目と脳の仕組みにあることが多いということです。
Q. 見え方が気になるとき、眼科に行ったほうがいいですか?
A. 黒い点や糸が急に増えた、光が走るように見える、片目だけに起きる、といったときは受診してください。光視症に飛蚊症を伴う場合、網膜裂孔や網膜剥離の可能性があるとされています。
Q. オーラが見えるのは共感覚ですか?
A. 同じものとは言えません。2012年の研究では、オーラが見えるという施術者に複数の共感覚が見つかった一方、共感覚の人たちの体験との違いも多いと報告されています。研究者らは、共感覚は超感覚的な力ではなく、現実の主観的な見え方だとしています。
Q. オーラの色の意味は、古くから伝わるものですか?
A. いまの色ごとの意味は、20世紀初めに西洋で書かれた神智学の本から広まったものです。チャクラに色を当てる説明も1927年の本から見られ、虹の七色の並びはそのあとにまとまったものです。
Q. 特徴に当てはまったら、見える人ということですか?
A. そうは言えません。挙げられている特徴は、確かめた調べものがなく、多くの人に当てはまる書き方になっています。


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